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2007年03月19日(月) 19時37分

野中ともよ三洋電機会長が辞任 取締役会で対立朝日新聞

 三洋電機は19日、野中ともよ会長(52)が辞任したと発表した。過去の決算に巨額の不正処理の疑いが浮上した問題で、外部から弁護士らを招いて調査委員会を設置するよう主張する野中氏と、時期尚早として反対する金融機関出身の取締役らが対立したことから、野中氏自ら辞表を提出したという。就任してわずか1年9カ月での辞任で、会長職は当面、空席になる。

野中ともよ氏

 この日午前に開かれた臨時取締役会で野中氏は、委員会設置を提案したが、否決された。辞任の理由について野中氏は「一身上の都合」としているという。

 三洋の決算を巡っては、証券取引等監視委員会が不適切な処理の疑いがあるとして調査していることが今年2月に判明。三洋は監視委の指摘を受けて、01年3月期から04年3月期までの決算を自主訂正することを決めており、当時から取締役だった野中氏や井植敏雅社長ら現経営陣の責任が焦点となっていた。

 野中氏はNHK番組のキャスターなどを経て02年に三洋の社外取締役に。05年6月、巨額赤字の責任を取る形で退任した創業家の井植敏前会長の後任として、会長兼最高経営責任者(CEO)に就いた。経営の実務に携わることは少なく、主にブランド戦略を担当。環境問題への貢献を重視する方針を打ち出してきた。

http://www.asahi.com/business/update/0319/098.html