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2007年03月19日(月) 00時00分

「熊谷うどん」PR本腰朝日新聞

◇小麦生産量は県内一 市内20店で地参地消

 小麦の生産量が県内一多い熊谷市で、地元産のうどん粉を使った「熊谷うどん」を名産品に育てようとする動きが製粉会社や製めん会社の間で広まっている。4月に同市の百貨店で開催するイベント「熊谷うどん祭」を皮切りに、市内外へのアピールに本腰を入れる。

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 市農業振興課によると、市の06年度の小麦生産量は9330トンを見込む。市町村レベルでは県内断トツで、北海道を除けば全国4位に躍り出る。粘りが弱く風味が豊かな「農林61号」と、もちもち感の強い「あやひかり」の2品種が主に栽培されている。

 熊谷産小麦を使用したうどん粉は、地産地消を進めたい市の要請で、春日部市の製粉会社が04年から生産を始めた。昨年は約5トンを卸し、熊谷市内にある約70店のうどん店のうち、約20店が採用した。

 熊谷産あやひかりと群馬産小麦を調合した粉を使う同市末広3丁目の「六兵衛」の瀬野和義さん(52)は、「つるつる、もちもちした食感でおいしいとお客さんにも好評です」と地場産にこだわりを見せる。

 昨年10月には、市内の製粉会社や製めん会社などの関係者15人で「熊谷小麦産業クラスター研究会」を立ち上げた。熊谷うどんの普及をさらに進め、生産から販売まで一貫して市内で手がける態勢が整いつつある。

 今年に入ってから、市内の業者が20トンの小麦を製粉し生めんを生産。同市内の量販店や農協で順次販売される。小売店やうどん屋へのうどん粉の販路も今後拡大していくという。

 同研究会長で松本米穀精麦社長の松本邦義さん(42)は、「熊谷にはフライなど、麦を使った食文化が根づいている。外国産小麦を使ったうどん店が多い中、地粉を使うことでオリジナリティーも出せる」と期待を寄せる。

 「熊谷うどん祭」は4月4日から6日間、八木橋百貨店で開かれる。生めんの販売やうどんの試食会がおこなわれるほか、来場者の投票で最も支持を集めたレシピに初代「熊谷うどんグランプリ」の称号が贈られる。

http://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000000703190001