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2007年03月10日(土) 00時00分

違法建築10年間放置 鎌倉市、是正勧告後指導せず読売新聞

 鎌倉市笛田の市街化調整区域に、13の業者が無許可で建てたプレハブ小屋や木造倉庫などの違法建築物について、市が1997年に是正勧告して以降十分に指導せず、今も使用されていることが9日わかった。市議会で追及された市は、約10年違法状態が続いている点に、「公正迅速な対応を求められた市として恥ずべきこと」として謝罪した。今後、是正を急ぐ方針。

 市によると、違法建築物は、笛田地区の約1ヘクタールの範囲に建てられ、建設関連業者などが事務所や倉庫などとして使っている。市の現地調査が済んでいないため、棟数など詳細ははっきりしていない。

 付近一帯はもともと農地だったが、1970年に市街化調整区域に指定された。市は、94年ごろ市民の通報などで違法建築を把握。96年に立ち入り検査し、鉄骨事務所や木造倉庫など約70棟が都市計画法の許可なしに建てられたことを確認。業者に撤去を勧告した。

 ところが、その後、撤去が進まないのに指導が中断。昨年になって、市の内部チェックで是正されていないことが判明した。市は昨年11月、13業者に改めて是正計画書提出を求め、うち11業者が提出。撤去できない理由について、「代替地の確保が難しい」などと釈明したうえで、市の指導に従う考えを示した。

 指導が不十分になった理由について市は「建築物を撤去させることが困難な中、対応が消極的になり中断してしまったようだ」と説明している。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news004.htm