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2007年03月09日(金) 10時00分

リフォームするなら「夫婦別寝室」日刊ゲンダイ

 住宅関連の市場調査会社の「50代セカンドライフ意識調査」によれば、住み替えやリフォームなど住まいを変えたいと思う人は6割を超えるという。手っ取り早くできるリフォームでは「寝室」が注目されている。夫婦別々の寝室づくりがその代表格だ。

●60代の夫婦の6割は別寝室
 積水ハウスの総合住宅研究所が実施したアンケート調査では、30代から50代の夫婦の約3割は別々の部屋で寝ており、60代以上はそれが6割近い。同社広報担当者はこう言う。
「アンケート調査は京都の総合住宅研究所を見学された約900組の夫婦に協力していただきました。8年前の調査ですが、意外に別寝室の夫婦が多いというのが実感でした」

●夫の定年退職を機に…
 音空間一級建築士事務所のインテリアコーディネーターの石崎昭子氏が言う。
「ここ数年は、夫の定年退職を引き金に別々の部屋で寝る夫婦が目立っています。四六時中、顔を見るようになり、せめて寝るときくらいは、別々にという思いが夫にも妻にもあるからだと思います。我慢しない分、精神的に楽で、円満な夫婦が多いようです」
 こうした傾向を見据え、積水ハウスや三井ホームリモデリング、住友林業など各社は、夫婦別寝室を盛り込んだいくつかのリフォームモデルプランを発表している。積水ハウスのあるプランは、洋室のベッドルームをスライディングスクリーンで分け、片一方を畳に替えて布団で寝る“和洋融合型別寝”だ。
「50代リフォーム 素敵に自分流」(経済調査会)の著者で1級建築士の寺林成子氏は言う。
「マンションや一戸建てのリフォームの設計依頼で、中高年の夫婦別寝室は5、6件手掛けました。最近ではリビングを吹き抜けにし、2階は妻の寝室、1階はペットの犬と一緒にいたい夫の寝室にリフォームしました。吹き抜けなら何かあった時、分かりやすいですからね」

●子供部屋をつくり替え
 小規模のリフォームでも別々の寝室づくりは可能だ。空いた子供部屋を寝室につくり替えるのである。
「洋室の子供部屋にベッドを入れ寝室にするなら改装費用も安く上がります。壁紙を替え、無垢材などを使っても広さ6畳程度なら50万円弱でOKです」(音空間一級建築士事務所・石崎幸雄代表)
 中高年の夫と妻がそれぞれ快適に暮らすための方法として「別寝室」は一考に値するだろう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070309-00000009-gen-ent