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2007年03月06日(火) 13時56分

3月6日付・よみうり寸評読売新聞

 〈働きづめは勤務医とスキーバス〉——先月、大阪・吹田市でスキー客を乗せた大型バスがモノレールの橋脚に衝突、乗務員1人が死亡、26人が負傷した◆同じころ、勤務医の労働実態が発表された。で、冒頭のような時事川柳が詠まれたのだろう。働きづめは、ほかにもあろうが、二つの仕事はともに人の命を預かる職場だ◆長野県のスキー場から大阪市内へ戻る途中だった「あずみ野観光バス」の運転手は居眠り運転。「スキーシーズンで多忙のため2月は1日休んだだけ」と供述、長距離や夜間の運転に必要な交代要員の配置もなかった◆貸し切りバス事業者は2000年の規制緩和で緩和前の1・6倍に増えた。競争はいいが安全対策が後手に回ったようだ。国土交通省は4月から安全監査体制を強化する◆一方「勤務医の27%が1か月休みなし」だったと実態調査を発表したのは日本医療労働組合連合会。1か月の残業の平均は63・3時間。労災認定の判断基準「80時間以上」が31%◆居眠り運転、居眠り診療?など働きづめは、過ぎれば、悲劇につながる。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070306ig05.htm