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2007年03月05日(月) 00時00分

県 「不適切」業務  209機関監査読売新聞

分譲地に廃材 2000万支出  職員用PC 生徒が負担 

 県庁各部局の業務の緩みが、県監査事務局の監査結果で明らかになった。監査は、各部局や出先機関など209機関に対して、2005〜06年度の事務執行などについて行ったもので、2000万円を超える無駄な支出が行われていた事例など、業務が適正に行われていれば避けられた多額の支出も指摘された。

 監査結果は、定例県議会開会にタイミングを合わせて上田知事などに報告しており、今回の監査は昨年10月26日〜2月16日までの間に行われた。

 違法または不当と認められるなど重大な事案である「指摘事項」の中で、最も金銭的な損失が大きかったのは、企業局の地域整備事務所。羽生下川崎産業団地で、05年に売却した分譲地から建設廃材が見つかり、売り主責任として土の入れ替え工事などを行い、そのための費用として同事務所は2257万円を支出。監査事務局は「団地造成前に、試掘調査など必要な回避策を行っていれば防げた支出」としている。同事務所では、別件でも約200万円の無駄な支出が指摘されている。

 教育局に絡む指摘も多い。県立伊奈学園総合高校では、「生徒個人の教育的な利益になるものに使う」として生徒から徴収した資金で、職員用パソコン16台を購入。また、公費で申請されていなかったソファベッドを購入し、研究室に設置していたことなどが明らかにされた。

 注意事項では「修学旅行の下見経費の一部を後援会から支出した」(川口高校)、「校内の民有地の土地賃貸借契約が、03年以降結ばれていなかった」(越谷総合技術高校)など、県立高校の経費管理や行政事務の緩みが目立った。

 監査事務局は、教育局に対して「県立学校等で契約執行の内容、費用負担などの点で適切性を欠く事務執行が多く確認された。これまでも同様だった。一層の改善取り組みが必要」などとし、各部局に再発防止や改善策を求めた。

 このほか「精神科医や臨床心理士による子ども相談業務で、利用者が少なすぎる。広報努力が足りない」(東松山保健所)、「8757平方メートルの農場が利用されていない。資産の有効活用を図るべきだ」(いずみ高校)など、監査事務局は各機関の改善すべき実態を指摘している。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news001.htm