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2007年03月03日(土) 00時00分

大林組 空港工事に割り込む 東京新聞

 名古屋市発注の地下鉄工事をめぐる談合事件で再逮捕された大林組名古屋支店の元顧問柴田政宏容疑者(70)が、中部国際空港建設の中で大規模なものとしては最後に行われた工事について「大きい工事はもうないので、どうしてもやりたい」と談合グループに要求し、強引に落札の本命共同企業体(JV)の幹事社になっていたことが関係者の話で分かった。

 この工事は、二〇〇三年九月に入札が行われた愛知県企業庁発注の空港対岸部「前島」の造成・道路・雨水工事。JV幹事社は談合でほかの大手ゼネコンに決まっていたが、大林組が割り込んだため、同工事では異例の大手二社が名を連ねる形となった。

 関係者によると、入札予定価格が五十億円を超える工事の入札は、中部空港本島については〇二年で終了。前島もほぼ同時に開発が進み、二〇〇〇年から〇二年までに十件の入札が行われ、〇三年は約八十億円のこの工事だけが残っていた。

 同容疑者を中心とする談合グループは各社の希望を聞いた上で受注工事を割り振っており、問題の工事は清水建設が幹事社となり、中堅ゼネコン、地元ゼネコン四社とJVを組織することでいったん話はまとまった。

 ところが、同容疑者が談合グループに、JVへの参加を認めるよう要求。清水建設の談合担当をしていた営業幹部は、同容疑者と良好な関係を築いており、将来的な影響も考慮して要求を受け入れたという。落札価格は七十四億五千万円で落札率は92・7%だった。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070303/eve_____sya_____004.shtml