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2007年02月24日(土) 00時00分

府内公立高 前期入試、約2万3千人挑む朝日新聞

 府内の公立高校の前期入学試験が23日にあり、専門学科や普通科総合選択制、総合学科などを志望する約2万3千人が受験した。大阪市中央区の府立大手前高校では、トップクラスの人気を誇る理数科の入試があり、定員80人に300人が挑んだ。午前9時10分から国語の試験があり、受験生は試験官の開始の合図に一斉に問題に取り組んでいた。合格者は各校で3月2日に発表される。今回の入試問題の特色と出題の狙いは次の通り。

●国語

 現代文は、生物と機械の比較を通して「生きているとはどんなことか」という命の神秘を考える文章のほか、「生憎(あいにく)」ということばにまつわる映画監督の思い出話についての文章から出題した。記述式の問題を工夫し、文脈における言葉の意味を説明させたり、内容を適切にまとめて表現させたりする設問を盛り込んだ。古文では、年末の大掃除を表す俳諧の季語「すす払い」について取り上げた文章から、人の心の動きのおもしろさなどを理解できるか、を問うた。

●数学

 理数科や総合科学科用の発展的な問題と、それ以外の科の基礎的な問題とに分かれる。

 コマや脚立の形状、半円形の鉄材を連ねてできる「さく」の全長と必要な鉄材の個数との関係、ユニットバスなどに取り付けられている二つ折りの扉の開き具合を元にした図形、といった身近な事象を素材に取り上げ、数理的に考察する力や数学的な見方、考え方などを総合的に評価できるよう工夫した。また、問題にスムーズに取り組めるよう、関連する図や写真を多く採り入れた。

●英語

 基礎的なA問題、発展的なB問題の2種類があり、英文の内容を読み解く力とともに、言葉や表現などを含めた基礎的な英語の使い方をみた。

 A問題では、留学生との会話や海外の友人との手紙のやりとりを通して異文化理解を深める高校生を描いた。B問題では、故郷を紹介するオーストラリア人留学生の英語のスピーチなどを題材にした。

 リスニングでは、校内のニュースや電話での会話といった、実際に英語が話される状況を設定した問題になった。

●理科

 身近な自然や身の回りの現象を科学的にとらえる力を問えるよう、トウモロコシやホウセンカの観察、斜面を走る台車の運動を調べる実験、ペットボトルで作った乾湿計を使った気象データの測定などを題材にした。また、受験生が問題に興味を持てるよう、府の花のウメと府の木のイチョウを取り上げたほか、ホットケーキがなぜふっくらと焼き上がるかについて、調べ学習のスタイルに沿って考えさせ、ふくらし粉に含まれる炭酸水素ナトリウムの化学変化を問うた。

●社会

 大きな二つの問題で構成した。地理や歴史、公民の各分野を融合させ、暗記力よりも、考える力や判断力を問うようにした。人やものが集まるところをテーマにした問題では、商都大阪のにぎわいとして、江戸時代の堂島の米市場と現代の物流拠点である中央卸売市場とを対比。社会と暮らしの変化をテーマにした問題では、憲法の制定から高度経済成長、交通の発達、高齢化社会という戦後の流れを年代を追って考えられるように問題をつくり、統計資料などを読み取る力もみた。

http://mytown.asahi.com/osaka/news.php?k_id=28000000702240003