４０代主婦。高校の同級生だった夫と、卒業後に交際を始め結婚。２０年になります。ここ数年、夫の「仕事が忙しい」という言葉をうのみにしてきました。夫は独立して、事務所を設け、そこで寝泊まりするようになっていました。帰宅する回数も減ってきました。
久しぶりに帰宅した夫の携帯電話を見ると、私の同級生で、夫が高校時代につきあっていた相手の名がありました。離婚して実家に戻っているようです。
私はショックから事故でけがをし、今もリハビリ中です。夫を追及すると「３年前に再会し、高校時代からの思いがあふれてきた。自分に素直に生きたい」「彼女を忘れるために、結婚したができなかった」と言われてしまいました。
夫は「家庭も大切だが彼女も大切。今の生活を続けたい」と子どもの前でも言います。私は精神的にも参っています。私が我慢すればいいのでしょうか。（埼玉・Ｍ子）
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家庭も彼女もどちらも必要だなんて、身勝手です。たとえ夫が彼女と別れて戻ってきたとしても、この記憶から抜け出すことはできますか？ 夫には過去になり得ることでも、過去にはなり得ないあなたには新しい苦痛のはじまりでしかないでしょう。「された側」の痛みは、よほどのことがない限り、ぬぐいさることのできない重しとなります。
夫は、自分の欲望に「素直」で、子どもっぽいタイプなのでしょう。そしてそれが問題になれば、開き直ることで、さらに相手を追い詰める傾向があるのだと思います。残念ながら、そういった性格もまた、よほどのことがない限り変わるものではないと思います。
それでもいい、とあなたがお思いなら、それでいいのですが、ショックでけがまでしてしまったのですよね？ しかも、身体的なそれよりも、はるかに深い傷をあなたは心に受けているのです。
あなたご自身が果たして「この夫」を愛し続けることができるのかどうかを考えてみてください。並行して、ご自分の「大好き」を探してみませんか？ その中に、夫はいるのでしょうか。
（落合 恵子・作 家）