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2007年02月18日(日) 13時05分

公明、処分せず 広島市議政調費不正支出朝日新聞

 広島市議の政務調査費をめぐる問題で、公明党広島市議団が不正支出を市監査委員から指摘されたことを受け、同党幹部が17日、記者会見を開いた。自動車購入費など約358万円を政務調査費の事務所費(05年度)から支払っていたことについて、あらためて謝罪した。全額を近く市に返還するという。一方で、不正の背景を「制度の使途基準が明確でなかった」とし、かかわった市議の処分はしないことを明らかにした。(宮崎勇作)

 同党県本部代表の斉藤鉄夫衆院議員、中国方面副議長の桝屋敬悟衆院議員と、05年度の会計責任者で同党市議団の平木典道幹事長の3人が出席。冒頭で謝罪した。

 今回の監査で明らかになった3会派総額約386万円の不正支出のうち、約358万円を公明党が占めた。自動車をはじめ、スーツや靴など私的な商品の代金まで事務所費から支払ったことがわかっている。

 不正の背景について幹部らは、「我々の認識も甘かったが、使途基準そのものがあいまいだ」と制度の問題を指摘した。また金額の大小はあるものの、所属議員8人全員が不正にかかわっていた可能性が高いことを明らかにした。

 「全員が深く反省している」として、公認の取り消しや辞職を求めるなどの処分はしない方針という。

 取材陣からは「なぜ公明党だけ突出しているのか」「公金意識が欠けているのではないか」などと質問が相次いだ。

 政務調査費に関する領収書は会派で5年間の保管が義務づけられている。同党は今後、05年度以前の支出についても独自に調査を進める方針。また共産党などが、開会中の2月定例会の最終日(21日)に各会派の収支報告書にすべての領収書を添付する条例改正案を議員提案する予定で、公明党も加わるという。

 住民監査請求をした市民団体「政務調査費を透明にさせる会」の秦明美代表は「これだけの不正支出があって処分もないなど、市民の常識からかけ離れている。独自調査をするなら外部の専門家を入れて徹底的にすべきだ」と話している。

http://mytown.asahi.com/hiroshima/news.php?k_id=35000000702170001