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2007年02月17日(土) 14時35分

街が語りかける…ICタグ設置で観光・交通情報など読売新聞

 ICタグ(電子荷札)を店舗や道路、駅やバス停など街中のあらゆるものに取り付け、道行く人たちが携帯端末で様々な情報を受け取れるような街づくりを国土交通省が本格化させる。

 すでに繁華街などで実証実験を行っており、4月からは、実用化に向けて利便性向上やコスト低減などを図る。2010年度には「人に語りかけてくる街」を各地で誕生させ、将来的には災害情報の発信なども行っていく方針だ。

 同省が構想しているのは、だれでも、どこにいても必要な情報を利用できる「ユビキタス社会」。ICタグから発信された文字や画像、音声などの情報を、人々が専用の携帯端末で受信する仕組みで実現を目指す。例えば、駅や空港内、タクシーなどにタグを付ければ運行情報の発信も可能になる。

 同省は一昨年から、道路や信号機などにタグを付けることで、視覚障害者や車いす利用者らが街中を1人で移動できるよう誘導したり、観光スポットで外国人観光客向けに多言語での情報発信を行うなどの実証実験を東京・銀座や神戸市などで行ってきた。

 今年4月以降は、実用化に向け、システムの技術的信頼性を上げるための検証などを行う。ICタグの値段は安いものでは1個5円程度。問題は携帯端末の普及だが、今後、携帯電話に端末機能が搭載されると、普及が進むと見ている。

 将来的には災害情報発信に応用することも検討する。災害につながる地盤の変化などを周辺住民に素早く発信できるほか、道路や建物などにセンサーとタグを取り付ければ、損傷などの発生を即時に伝えることが出来る。同省は「幅広い分野に応用できそうで、今後もアイデアを出していきたい」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070217i105.htm