小林容疑者らは二〇〇〇年夏ごろから福祉機器販売の人脈や聴覚障害者の口コミを利用し、「銀行より高い金利を払う」などと手話やチラシで勧誘。首都圏や東海地方を中心に一都十七県の約二百七十人から、計二十七億円を集めたという。
調べでは、小林容疑者らは〇五年三月下旬から同年四月上旬まで、山梨県の聴覚障害者の男性会社員(53)に「私にお金を預ければ、月5%の利子を出す。元本は必ず返す」などと手話で誘い、実際には利息を払える状態でなかったのに、計二千三百万円を預かってだまし取った疑い。
小林容疑者は、一九八一年から数年間、障害者を相手にマルチ商法で布団を販売。その人脈を使い同社の前身会社を設立、福祉機器の販売を始めた。九九年一月に「パラダイスプランニング商会」の業者名で都に貸金業登録し、登録証を見せて勧誘していた。
〇二年には神奈川県湯河原町に障害者や高齢者向けの福祉施設をオープン。利息は「施設の運用や福祉機器販売利益などで出す」と年6%を約束していたが、いずれも経営は苦しかった。
調べに対し、小林容疑者は「詐欺と言われても仕方のないことをした」、町田栄子、訓清両容疑者は「詐欺をした覚えはない」と供述しているという。
集めた二十七億円のうち六億円は配当金などに回し、自転車操業を繰り返していたとみられるが、残り二十一億円の使途は不明。小林容疑者には十数億円の借金があったといい、合同捜査本部が金の流れを追及している。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070214/eve_____sya_____002.shtml