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2007年02月12日(月) 01時46分

2月12日付・編集手帳読売新聞

 女性下着メーカー大手のトリンプ・インターナショナル・ジャパンは、ちょっと遊び心のある会社のようだ◆地球環境の保護を呼びかける狙いから、地球の模様を施した「eco地球儀ブラ」や、胸に暖かい「ウォームビズ・ブラ」といったブラジャーを作り、話題を提供してきた◆そのトリンプがこのほど、「No!レジ袋ブラ」を発表した。買い物の際、レジ袋を使わなくても済むように考案した。左右のカップの内側に仕込んだ特殊パッドを広げ、ファスナーでつなげればマイバッグに早変わり。肩ひもはリボンに結んで飾りにする◆こんな変わりダネの買い物袋が登場するほど、レジ袋包囲網は狭まりつつある。京都市や東京都杉並区のスーパーの一部店舗で、レジ袋の試行的な有料化が始まった。新潟県佐渡市では4月から、市内の大半の店舗が参加して有料化を進めるという◆日本全体のレジ袋使用枚数は、年間300億枚とされる。1枚10グラム程度として約30万トンがゴミになる計算だ。まさに、ちりも積もれば山となる。家庭ゴミを出すための袋として重宝している、との声もあるが、杉並区の調査では7割がそのまま捨てられてしまうという◆レジ袋追放を突破口に、生活全般をエコロジー重視に変えていくことが、地球環境を守る大きな流れにつながるはずだ。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070211ig15.htm