記事登録
2007年02月10日(土) 00時00分

工場の一部再開 不二家社長『月内にも』 東京新聞

 期限切れ原料の使用問題で揺れる不二家の桜井康文社長は九日、農林水産省で記者団に対し、「なんとか二月中にはメドをつけたい」と述べ、休止している洋菓子工場の月内一部生産再開へ意欲を示した。現在、不二家は生産再開に向け、山崎製パンの支援で米国の厳格な食品安全基準「AIB食品安全システム」の導入を急いでいる。桜井社長が具体的な操業再開時期に言及したのは初めて。

 不二家は、今月五日に山崎と衛生管理の技術支援についての覚書を締結。埼玉工場に全国の工場の担当者を集め、AIB導入の研修・指導を行っている。

 AIBは製造ラインごとに認証されることから桜井社長は「全部が終わればということではなく、認証されたラインから動かす可能性がある。特に埼玉工場のスポンジ製造ラインに集中したい」と述べた。菓子三工場についてもAIB的手法を取り入れた衛生管理を導入、主力の「ミルキー」「カントリーマアム」などの製造を早期に再開したい意向を示した。

 桜井社長は「AIBの清掃は配電盤やダクトの中、オーブンの下とか、ここまでやるのかと正直驚いた。こうした努力をすれば、お客さまの信頼を得られるという希望がわいてきた」と語った。

 また不二家は九日、社内基準を超える消費期限を表示した洋菓子を出荷し、農水省から厳重注意を受けた問題で、期限設定や品質保証体制の見直しなどの改善報告書を同省消費・安全局に提出した。

 報告書によると、全商品を洗い出して消費・賞味期限の設定方法を見直したほか、工場と品質保証本部の連携を強化するため各工場に同本部の駐在員を置くことを決めた。農水省は営業再開後も改善状況確認のため、工場などへの立ち入り調査を行う。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20070210/mng_____kei_____001.shtml