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2007年02月09日(金) 00時00分

ネット経済新聞 山口発/印刷会社“創刊”朝日新聞

  「お好み焼きとギョーザの店が開店」「ギャラリーで作品展を開催中」——。山口、防府、宇部市周辺の経済の動きや街の話題を集めてインターネットのサイトに掲載する「山口経済新聞」が9日「創刊」される。大都市圏を中心に発刊が相次いでいる同様の新聞に呼応したもので、山口のような地方では初めての試みだ。(金子元希)

  編集部は山口市の印刷会社マルニの社内。普段は印刷物の企画を担当する津田優子さん(28)が記者だ。年明けから「山口経済新聞記者」の名刺とデジカメ、ノートを手に走り回っている。

  1月、JR防府駅前の商業ビルに寄ったとき、「オープン」の文字につられてレストランをのぞいた。自己紹介のつもりで入ると店長がおり、すぐ取材に転換。「防府に本格イタリアン」という記事にまとめた。

  会社の人脈のほか、雑誌やブログなどを念入りにチェックして情報を得る。「新聞に出てしまった話では遅い。20〜30代が見ることを考えて書きたい」と独自色を狙う。

  できるだけ毎日新たな記事を出すことを目指し、コラムやインタビューも計画している。

  河野康志社長(45)が昨年11月、「シブヤ経済新聞」「天神経済新聞」など繁華街のネット新聞が各地に広がっていると報じた新聞記事を見たのがきっかけだ。先駆けの「シブヤ」の西樹(たてき)編集長(46)を訪ね、準備を始めた。

  これまでに17の「新聞」が開設され、山口で18番目。西さんは「山口は観光資源もあり、興味を引く動きがある。大都市だけでない動きも知りたい」と話す。新聞は互いに簡単に閲覧できる。連携はネット用の広告獲得に欠かせない。

  河野さんは「アイデアで仕事は決まる」と感じる。新聞を手掛けることで、会社が持つ情報量を増やす狙いもある。

  地域経済の浮揚も新聞発刊の目的だ。これまでも、人の流れを引きつけようと民家や商店を美術館に見立てたイベント「アートふる山口」に携わってきた。「東京の人が見て、田舎だけどおもしろいと思ってもらえたらしめたもの」と話す。

http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news.php?k_id=36000000702090004