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2007年02月08日(木) 23時47分

保険料徴収コスト、民間委託で3〜5割減 市場化テスト朝日新聞

 社会保険庁は8日、国民年金保険料の未納者に支払いを促す業務を民間に試験的に委託した結果、徴収経費が3〜5割削減できたとの評価結果を発表した。社保庁による徴収が戸別訪問中心だったのに対し、電話による効率的な支払い催促などでコストを抑えることができた。今国会に提出予定の社保庁改革関連法案では、同庁は10年をめどに分割・解体され、民間への業務委託を大幅に進める方針で、民間によるコスト削減効果が裏付けられた形だ。

 官庁の業務を官民競争入札にかける「市場化テスト」の一環として、05年10月から、弘前(青森県)、足立(東京都)など五つの社会保険事務所で徴収業務を民間2社に委託した。

 06年9月まで1年間の実績では、未納者から保険料を徴収するための人件費や通信費などが、5カ所とも民間の方が社会保険事務所より34〜53%安かった。電話の催促が中心で、ほとんど戸別訪問しなかったため。一方、長期滞納者など実績に結びつきにくい人には催促しなかったり、電話番号の分からない未納者には文書による催促にとどめたりするなどの課題も明らかになった。

 未納者からの徴収件数は、5カ所のうち4カ所で、民間が社会保険事務所の前年実績を1〜5%上回った。

 同庁は徴収業務の民間委託を、今年10月から全国312カ所の社会保険事務所のうち95カ所に拡大する予定。効率が悪いと催促しない問題点を是正するため、未納者全員に催促することなどを委託の条件にするという。

http://www.asahi.com/business/update/0208/166.html