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2007年01月31日(水) 08時00分

別の制作会社も捏造か あるある「納豆若返り」朝日新聞

 関西テレビ制作の「発掘!あるある大事典2」(フジテレビ系)で、06年7月30日放送の「納豆で若返り」の回でも、海外研究者の発言を捏造(ねつぞう)していた疑いがあることが、30日分かった。関西テレビが捏造を認めた「納豆ダイエット」や、その疑いの濃い「みそ汁ダイエット」と同様の、吹き替えや字幕で発言に手を加える手法で、この2回とは別の制作会社が担当していた。

 この番組のタイトルは、「世界が大注目! 納豆で若返る方法」。番組が「若返り物質」と呼ぶポリアミンを多く含む食品として納豆に注目。ポリアミン研究の第一人者として、イギリス食品総合研究所の主任研究員アントニー・マイケル氏にインタビュー取材した。

 番組では日本語訳の吹き替えと字幕で、「納豆には人間を老化させない強力な若返り物質が多く含まれていることが、最近の研究でわかってきたのです」というマイケル氏の発言を紹介した。

 だがマイケル氏は、朝日新聞の電子メールでの取材に対し、「私は納豆が若返りにいいとは言っていない。今まで納豆について研究したことはない」と答えた。

 また、番組の中で同じ日に咲いたタバコの花の写真を見せ、マイケル氏が「左の大きくきれいに咲いた花にはポリアミンが多く含まれ、右のしぼんだ方はほとんど含まれていない」と説明したとされるシーンについて、「番組で何が語られているか正確には分からないが、左は通常の花で、右は、ポリアミンを増やすよう遺伝子操作をした結果、貧弱になってしまった花だ」と答えた。

 制作に携わったのは、これまでに同様の発言捏造が指摘された「みそ汁ダイエット」(06年2月)、「納豆ダイエット」(07年1月)を担当した「アジト」とは別の孫請け制作会社。実験結果の改ざんを指摘されている「レタスで快眠」(98年10月)を作った下請け会社を含め、これで計3社の制作会社が、捏造問題にかかわっていたことになる。

 関西テレビ広報部は「現在、報告できるのは納豆ダイエットだけで、そのほかの回については調査を進め、しかるべき時期に発表したい」と話している。

http://www.asahi.com/national/update/0131/OSK200701300076.html