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2007年01月30日(火) 00時00分

“非主流派”輪島“主流派”原田…あわや法廷闘争ZAKZAK

 ≪警告通知書 貴協会におきまして臨時総会のご案内を頂きましたが、以下の点は将来に禍根を残し、通知人らにおいて法的処置をとらざるを得ない事態となりますので、再度ご通知を発せられるよう警告いたします≫

 先週26日に臨時総会を招集した東日本協会の会長である輪島氏に対して、23日の消印で「警告通知書」と題した内容証明を送ったのは、帝拳ジムや協栄ジムなど最有力ジムを含む9つの会員ジム。

 彼らが怒った理由は2点。東日本協会が年末に会員に出した召集案内に、総会で議決する議事の説明がほとんどなく、≪何を議事として議決するのか判断のしようがありません≫。さらに、欠席する場合は委任状を提出するが、委任状がない場合、議決を輪島氏に委任するとの内容が含まれていたこと。≪議事の採決の内容によりますから、委任者は協会長と特定することは許されません≫というのだ。

 会則会規について、改正や追加を行いたい意向だった東日本協会は、警告書を受けて総会2日前に議事の詳細を会員に送付。予定通り総会は開催されたが、「慌てて決められる内容ではない」といった意見が続出し、採決は先送りとなった。

 この件に関して、輪島氏は「よく分からないんだ」などと、なぜか明言を避ける。どうやら事務方に対応を任せていたようで、東日本会長として、内容をよく把握していなかったようだ。

 とはいえ、総会の開催通知に対して、しかも昨年末に出されていたというのに開催直前に、異議を唱える内容証明を送りつけられるのは、異例中の異例のことだ。

 実は直前の19日、原田氏の順当再選とみられていたJPBA会長選に出馬を表明した。このため、一部関係者は「輪島氏への嫌がらせではないか」とみる。

 警告書に名を連ねた帝拳ジムや協栄ジムなど9つのジムは、主流派のなかでも本流ともいえるメンバーだった。その1人の会長は「JPBAの選挙とは全く関係のない話」というが、だれも額面通りには受け止めないだろう。

 普段から関係者の交流や意思の疎通が円滑であれば、話すだけで問題は解決しそうな問題に、いきなり警告書の送付。日ごろの両者の関係の悪さに加え、会長選立候補で対立が激化したことを象徴する出来事ともいえるだろう。前出のジム会長は「私も含めてボクシング界には世間的な常識がない人が多いから…。でも、皆仲間ですから」と苦笑する。

 とりあえず穏便に収まった形だが、主流派と反主流派の互いにぬぐい難い不信感があるのは事実。昨年夏の亀田興毅の世界戦ではないが、たとえ選挙結果という“判定”が出たとしても、両者が健闘をたたえ合い素直に握手ができるほど単純な話ではないようだ。  

ZAKZAK 2007/01/30

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_01/t2007013010.html