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2007年01月26日(金) 00時00分

政調費、支出を凍結 品川・自民区議団朝日新聞

 政務調査費の不適切な支出が相次いで発覚している問題で、品川区議会の会派「品川自民党区議団」(14人)は25日、適切な運用への具体的な仕組みづくりや改善策ができるまで、会派の政務調査費の支出を凍結すると発表した。

 同区議団は01年度にまでさかのぼり、過去の支出について収支報告書に添付した領収書などを点検する作業を進めている。須藤安通幹事長は「チェック機能が甘かったことを認める。公費の使い方としてご理解が得られない支出については返還する」と話した。

 同区議団の政調費をめぐっては、昨年4月、オンブズマンによる住民訴訟の東京地裁判決で01、02年度の飲食費約769万円が不適切な支出と認定され、同団は延滞金も含め1127万円を区に全額返還した。今月には議長経験者2人による不適切な支出が相次いで発覚し、延滞金も含め計約405万円を区に返還した。

◆築舘区議「立候補を辞退」 4月の区議選◆

 品川区の自民党区議団は25日、架空領収書を使い政務調査費を不正に受給していた築舘武雄区議(55)が4月の区議選には立候補しないことを明らかにした。築舘氏は同日、自民党都連に離党届を提出した。築舘氏は会派も離脱し、任期まで無所属で活動するという。同区議団に本人から申し出があり了承した。

 築舘氏は朝日新聞の取材に対し、「区民のかたに深くおわびします。任期がおわるまでは政務調査費の改善措置を自分の仕事として取り組みたい。ただ、けじめとして次の選挙の立候補は辞退する」と話した。

 築舘氏は書店と文具店から白紙領収書をもらって架空請求を計76回繰り返し、政務調査費約209万円を不正に受給していた。朝日新聞の取材で指摘を受け、発覚後は一時周辺に辞意を漏らしていた。延滞金も含めた247万円余りを区に返還している。

◆原区議、区に159万円返還 視察に家族同伴◆

 視察旅行に家族を同伴させ、家族分の旅行代も政務調査費として受給していた品川自民党区議団の原雅美区議(64)は25日、延滞金と合わせて158万円余りを区に返還した。

 原区議は02年度から06年度上半期までの視察について、8カ所9件の宿泊などにかかわる計約144万円を「家族や友人同伴の旅行代を請求するなど不適切な支出だった」として返還を申し出ていた。同区議団によると、収支報告書に添付していた領収書は宿泊費や交通費など計37枚。

 朝日新聞が情報公開制度で入手した政務調査費の収支報告書によると、原区議は05年8月25日付で、福島市土湯温泉町の旅館の約5万3千円の領収書や翌26日付で山形県南陽市赤湯の温泉宿の領収書約5万9千円分などを添付していた。

http://mytown.asahi.com/tokyo/news.php?k_id=13000000701260001