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2007年01月14日(日) 23時57分

北朝鮮の核、具体的解決求める…日中韓首脳が共同声明読売新聞

 【セブ(フィリピン中部)=林博英】安倍首相、中国の温家宝首相、韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は14日午後(日本時間同)、セブのホテルで約1時間会談し、北朝鮮に対し、核廃棄への「具体的かつ効果的なステップを取る」ことを求める共同声明を発表した。

 3か国間の投資拡大を図る「日中韓投資協定」の締結交渉を近く開始することも明記した。

 日中韓首脳会談は、小泉前首相の靖国神社参拝問題が原因で中断して以来、約2年ぶりとなる。

 北朝鮮の核問題について、安倍首相が「6か国協議は実質的な進展が得られていない。各国が適切な圧力を加え、北朝鮮に非核化の実現の政治的決断を促すことが重要だ」と強調した。盧大統領は「韓国もコメ、肥料などの支援を中断している」と制裁対応を説明し、温首相も「6か国協議が有効なプロセスであり、日中韓が協力して朝鮮半島の非核化を実現したい」と応じた。

 拉致問題では、安倍首相が「北朝鮮が(問題解決に)誠実に対応していないのは遺憾だ」と述べ、中韓両国の理解と協力を要請した。中韓両首脳は直接答えなかったが、共同声明で「国際社会の人道上の懸念にかかる問題への対処の重要性を強調した」との表現で拉致問題に言及した。

 このほか、共同声明には〈1〉3か国の外務高級事務レベル協議機関の設置〈2〉黄砂、漂着ゴミなど環境分野での協力強化〈3〉安全保障理事会改革を含む国連改革への支持——などが盛り込まれた。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070114it14.htm