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2007年01月13日(土) 00時00分

不二家野木工場に立ち入り読売新聞

県 衛生管理報告求める

不二家野木工場の立ち入り検査を終え、工場から出てくる県職員(12日午後0時5分ごろ)
 大手菓子メーカー「不二家」埼玉工場(埼玉県新座市)が、消費期限切れの牛乳を使った洋菓子を製造・出荷していた問題を受け、県は12日、不二家野木工場(野木町野木)に対し、食品衛生法に基づく緊急立ち入り検査に踏み切った。県によると、同工場に対する緊急立ち入り検査は、1971年の操業開始以来、初めてだという。

 調査は、県生活衛生課職員1人と県南健康福祉センター職員2人の計3人で、午前9時40分から約2時間半にわたって行われた。

 県生活衛生課によると、立ち入り時に保管されていた原材料はすべて期限内で、衛生上問題はなかった。消費期限切れの牛乳を使ったシュークリームが埼玉工場で製造されたのが昨年11月だったことから、工場が保管していた過去1年分の製造記録のうち、昨年10月以降の牛乳、冷凍液卵や生クリームの記録を調べたが、期限切れの原材料が使われた事実は認められなかった。ネズミや害虫の駆除も定期的に行われていた。

 ただ、ネズミなどについては埼玉工場で問題があったことから、「特に注意し、徹底的に駆除をするように」と指示した。さらに、工場の製造マニュアルに分かりにくい表現があったことから、改善を求めた。

 県は、「本日の調査結果を見る限りでは、問題はなかった」と結論付けたが、工場に対して、衛生管理体制について速やかに報告するよう求めており、その結果次第では、操業再開前に、再度、立ち入り検査を実施するとしている。

 野木工場によると、工場では242人が働いており、操業を休止した11日以降も、従業員は通常通り出勤し、製造ラインの清掃などを行っている。工場に対し、消費者からの苦情や問い合わせはなかったが、11日は生鮮食品の仕入れ先などから、食品の納入に関する問い合わせが相次いだという。

 深野勝工場長(47)は、「期限が切れた食品は廃棄しており、立ち入り検査でも、食品の管理に大きな問題は見つからなかった」と安全を強調。工場の男性職員は「自分が働いている工場に立ち入り検査が入ったことはショック」と話した。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/news001.htm