記事登録
2007年01月10日(水) 06時03分

「絵画投資」で4億詐取容疑、後藤組系幹部ら逮捕へ読売新聞

 指定暴力団山口組後藤組のフロント企業とみられる絵画販売会社が「絵画のオーナーになれば、レンタル料から多額の収入を受けられる」と偽り、全国の約460人の顧客からローン代金計約4億円をだまし取っていた疑いが強まり、警視庁組織犯罪対策4課は9日、この会社の実質的経営者で後藤組系組幹部の男(50)ら数人について、組織的犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の疑いで逮捕状を取った。

 10日にも逮捕する方針。同課では、この会社が山口組の資金源になっているとみて、全容解明を進める。

 組織的詐欺の疑いが持たれている絵画販売会社は、東京都新宿区矢来町の「アートクラシックス」。

 調べによると、この幹部ら数人は2004年10月から昨年3月にかけ、「ローンを組んで絵画を買ってほしい。購入した絵画は、都内の有名ホテルにレンタルするので、多額のレンタル料が入る」などと顧客を勧誘、絵画1枚につき数十万円で販売するローン契約を結ばせながら、実際にはレンタル事業を行っていなかった疑い。絵画を購入した客は全国で約460人、被害総額は少なくとも4億円に上るという。

 絵画を購入した客は、アートクラシックス社が紹介した複数の企業と、ホテルへの絵画のレンタルを仲介してもらう契約を交わしていたが、これらの企業はアートクラシックス社と一体とみられ、実際にはホテルへのレンタルは行っていなかった。同課では、顧客からの被害届を受け、昨年11月、同社を捜索して裏付け捜査を進めていた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070110ic01.htm