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2007年01月08日(月) 10時00分

安倍オソマツ年頭会見日刊ゲンダイ

 これが、わが国の首相だから情けなくなってくる。4日の安倍首相の年頭記者会見。昨年から相次ぐ不祥事の反省と、殺伐とした社会の重い空気を読んで、少しは神妙な挨拶をするのが常識なのに、違った。
「私の内閣発足から100日が経過しました。“美しい国”に向けて礎を築くことができたと思います」——例のカン高い声でこうケロッと言ってのけたから驚いた。
「ちょっと、ちょっとちょっと、何を言ってんの?」とツッコミを入れたくなるほどのトンチンカン挨拶だ。この100日間といえば、道理なき復党騒動に本間スキャンダル税調会長の擁護、さらには佐田大臣の金銭疑惑発覚と、安倍首相のワキの甘さ、見当違い、優柔不断だけが目立った。
 どこが「美しい国の礎」なのか。政治のモラルハザードが伝染して、毎日のように子殺し、親殺し、兄妹殺しがニュースになる醜い国になっている。
 本人は、不要不急の教育基本法の改正案成立と防衛省昇格をもってして「美しい国の礎」としているんだろうが、いじめも自殺も殺人多発も打つ手ナシだ。首相にその悲惨な現状の認識がないとしたら、恐ろしいことである。
 もっとも安倍首相の正月は、六本木の高級ホテルに滞在し、ヒルズで映画ざんまいだったという。新築公邸と渋谷に豪邸があるのに結構な身分。ロクに新聞も見ていないのだろう。浮世離れしたボンボン首相と庶民の常識はかけ離れるばかりだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070108-00000012-gen-ent