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2007年01月01日(月) 00時00分

魚住汎議員に2000万円提供か 東京新聞

 全国で約百三十億円を集めたとして出資法違反容疑で福岡県警の家宅捜索を受けた資産運用コンサルティング会社エフ・エー・シーの関連団体WBEFが、自民党の魚住汎英参院議員=比例代表=に二千万円を提供した疑いのあることが三十一日分かった。囲碁セット購入の形をとっていたが、囲碁セットに二千万円の価値はないという。福岡県警の調べに売買の仲介者が経緯を供述した。魚住議員は、WBEFの特定非営利活動法人(NPO法人)認証を内閣府に働き掛けていたことが分かっており、同県警は、あっせん利得処罰法に触れる可能性もあるとみて捜査している。

 囲碁セットは元自民党副総裁(故人)のサイン入り。二〇〇六年春に「インド文化協会」(東京)を介して売買された。

 同協会会長の供述によると、魚住議員は〇六年二月ごろ、会長に囲碁セットの売買を持ち掛けた。会長がエフ社側に買い取りを求め、WBEFから三月末に協会の口座に二千五百万円が振り込まれた。会長はうち二千万円を議員会館で魚住議員に手渡したという。

 福岡県警は家宅捜索で囲碁セットを押収。同協会の口座への振り込みも確認した。魚住議員、インド文化協会会長とも熊本県出身で、面識があったという。

 〇六年四、五月にはWBEFから魚住議員側にパーティー券購入代金として二百四十万円が送金されたことも判明。一連の資金提供は魚住議員がWBEFのNPO法人化を内閣府に口利きしていた時期に当たる。

<メモ>エフ・エー・シーの出資法違反事件 起業に関するCDソフトの購入代金名目で全国の約8000人から約130億円を集めたとされる事件。エフ社は一口100万円の出資に対し、元本を保証した上で毎月5万円を支給すると約束。出資金は外国為替証拠金取引で運用すると説明していた。福岡県警は06年6月、出資法違反(預かり金の禁止)容疑でエフ社と、関連団体で起業家セミナーを開催するなどしていたWBEFを家宅捜索。資金が返済されない出資者が、訴訟を起こしている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070101/mng_____sya_____009.shtml