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2006年12月31日(日) 07時01分

偽装疑惑の業者販売「宮城産」カキ 脂肪酸比重に相違河北新報

 宮城県漁連は、カキに含まれる脂肪酸をむき身一粒ごとに抽出できる技術を利用し、産地偽装の疑いが持たれている関東の水産物販売業者が10月中旬に「宮城産」と表示し、パック詰めした商品を科学的に分析した結果、同一パックに脂肪酸の比重割合が大きく異なるカキが混在していることが30日、分かった。

 宮城県水産研究開発センター(石巻市)の研究で、10—12月に水揚げされたカキは、特定の脂肪酸の比重割合の合計が宮城産は4%以上、韓国産は4%以下との特徴が確認されている。業者のパックには、宮城産ではこれまで検出されていない2%台の粒が複数あり、県側とデータを解析した県漁連は「韓国産も含め、宮城産以外が混入している可能性がある」との見方を強めている。
 分析対象は、関東の業者が10月10—12日にパック詰めし「宮城産」と表示販売した複数の商品。

 宮城産と韓国産の脂肪酸の比重割合が違うリノール酸、α—リノレン酸、オクタデカテトレエン酸の合計値をみると、12粒入りパックでは、4粒が2.1—2.8%と2%台、3%台も2粒あった。ほかは4—6%台だった。大粒だけをそろえた8粒入りパックも2.1—6.3%と開きが大きかった。
 3脂肪酸以外の脂肪酸も合わせ、蓄積データと照合した結果、3脂肪酸合計値が低かったカキは3グループに分類され、いずれも宮城産以外と推定されるという。

 県漁連は、業者が産地を偽装している疑いがあるとみて、2004年12月、農水省に実態調査を要請。調査で宮城産は石巻市の特定の仲買業者から、韓国産は広島県の輸入業者から仕入れていることが判明し、仕入れと販売実績に矛盾が浮かび上がったが、偽装は確認されなかった。業者側は一貫して疑惑を否定している。

 県漁連の木村稔会長は「科学的側面と流通経路の両面から、偽装の根絶を目指して手を尽くしてきた。今回も業者の商品に大きな疑問が生じた。疑惑はこのまま捨て置けない」として、業者の情報収集を続ける。
 県のカキ産地識別研究は、2002年に韓国産の宮城産への偽装が発覚したのを受けて始まり、生育環境によって脂肪酸の比重割合に違いがあることを突き止めた。
 県漁連はこの手法に着目、定期的にサンプルを収集し、識別技術の実用化を目指している。
 業者は関東の水産物加工会社にパック詰めを委託し、主に首都圏で販売している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061231-00000010-khk-soci