悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年12月31日(日) 06時16分

魚住汎英議員に2千万円 NPO申請で口利きか朝日新聞

 高齢者などから不当に金を集めたとして福岡県警が出資法違反(預かり金の禁止)容疑で家宅捜索するなどした福岡市の資産運用コンサルティング会社「エフ・エー・シー」の関連団体「WBEF」から、インドとの文化交流を主宰している任意団体「インド文化協会」を通じて、自民党の魚住汎英(ひろひで)参院議員(66)=比例代表=に2000万円が提供されていたことが30日、関係者の話で分かった。資金提供は、元自民党副総裁(故人)の「サイン入り」とされる囲碁セット売買の形を取っているが、捜査関係者は「材質などの面からもほとんど価値がない」としている。この売買と前後して、議員はWBEFがNPO法人申請をしていた内閣府に対し、7回も審査状況を問い合わせるなどしていることから、あっせん利得処罰法での立件を視野に調べている。

 魚住議員の疑惑が濃厚になれば、夏に参院選を控えるなかで、民主党など野党が政治とカネの問題をめぐって自民党への追及姿勢を強めそうだ。

 魚住議員は朝日新聞の取材に対し、囲碁セットの存在自体を否定している。一方、売買を仲介したというインド文化協会の会長は「魚住先生から『1億円の値打ちがあるから』と頼まれて仲介し、議員会館で2000万円を手渡した」と証言。売買を裏付ける関係書類やWBEFに渡った囲碁セットも押収されたといい、県警の調べにも同様の供述をしたという。

 捜査関係者によると、問題の囲碁セットは「ごく普通の品物で特別な価値はない」とされる。また、業界関係者も「囲碁セットは高価なものでもせいぜい数百万円レベル」としている。

 関係者の話を総合すると、熊本県を主な選挙地盤とする魚住議員は今年2月ごろ、同郷で懇意にしていた協会会長に囲碁セットの売買を自ら持ちかけたという。これを受けて会長がエフ社側に買い取りを求めたところ、簡単に承諾が得られ、3月末にエフ社側から協会の口座に2500万円が振り込まれた。会長は、そのうちの2000万円を議員会館で魚住議員に手渡したという。

 エフ社側から魚住議員側には2000万円以外にも、今年4月と5月に「パーティー券代」名目で計240万円が送金されていることがすでに判明している。

 一方、エフ社側は05年12月、WBEFのNPO法人化を計画し、内閣府に認証申請していた。関係者によると、魚住議員は今年3月28日から6月にかけて7回にわたって内閣府職員に対し、「迅速に」「よろしく」「悪い団体ではない」などと繰り返していた。

 県警は、魚住議員が内閣府に口利きしていた時期とエフ社側による囲碁セットの購入やパーティー券代の支払い時期が近接している点に注目。NPO法人の認証をめぐるあっせん利得処罰法違反の疑いがあるとみている。

 エフ社側から国会議員への資金提供としては、松岡利勝・農林水産相(61)=自民、衆院熊本3区=がパーティー券代100万円を受け取りながら政治資金収支報告書に記載していなかった問題が9月に発覚。また、野呂田芳成衆院議員(77)=無所属、秋田2区=もパーティー券代40万円を受け取っていたことが分かっている。

http://www.asahi.com/national/update/1231/SEB200612300015.html