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2006年12月30日(土) 12時27分

<フセイン元大統領>死刑を執行 イラク国営放送毎日新聞

 【カイロ高橋宗男】イラク国営放送は30日午前(日本時間30日午後)、イスラム教シーア派住民虐殺事件の控訴審で死刑判決が確定していたフセイン元大統領(69)に対する絞首刑による死刑が執行されたと報じた。03年3月開戦のイラク戦争での政権崩壊まで24年間にわたり同国を独裁支配した元大統領は「人道に対する罪」などを犯した「犯罪者」として生涯を閉じた。米軍占領下に設置された法廷の公正さを疑問視する意見は根強く、旧フセイン政権を支えたイスラム教スンニ派の反発は必至だ。マリキ首相(シーア派)率いるイラク政府は「独裁者の死」を国民和解につなげたい意向だが、かえって宗派対立に拍車がかかる恐れがある。
 フセイン元大統領はアラブ社会主義を掲げるバース党の要職を歴任した後、79年7月に大統領に就任。政敵を排除し、シーア派やクルド人を弾圧する恐怖政治で独裁者として君臨してきた。イラン・イラク戦争(80〜88年)、クウェート侵攻(90年)に続く湾岸戦争(91年)、イラク戦争(03年)と相次ぐ戦争に国民を巻き込んだ。
 03年4月にバグダッドが陥落し、旧フセイン政権は崩壊。元大統領は同年12月にイラク北部の故郷ティクリート近郊に潜伏中、米軍に拘束された。イラク高等法廷は今年11月5日、イラク中部ドジャイルでシーア派住民が虐殺された「ドジャイル事件」(82年)で元大統領に死刑判決を出し、同12月26日に確定した。
 イラン・イラク戦争やクウェート侵攻のほか、イラク北東部ハラブジャで化学兵器によってクルド人が虐殺された事件などでも起訴される予定だったが、元大統領の死刑執行により真相解明は事実上不可能となった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061230-00000030-mai-int