2006年12月29日(金) 11時02分

前橋・通帳盗難損賠訴訟：７１２万円支払いで和解　郵政公社が被害女性に　／群馬（毎日新聞）

　◇東京高裁で和解
　盗まれた貯金通帳から現金を引き出されたのは、本人確認を怠った郵便局の過失として、前橋市の女性が日本郵政公社を相手に約１０１７万円の損害賠償を求めていた訴訟が２８日までに、東京高裁（浜野惺裁判長）で和解した。公社側が女性に約７１２万円を支払う。
　１審・前橋地裁判決などによると、女性は０４年４月３０日ごろ、自宅から貯金通帳が盗まれているのに気付いた。同年７月１９日に女性を装った何者かに１０１７万円を引き下ろされていた。郵便局職員が本人確認した際、偽造運転免許証や偽造印鑑を見抜けなかった。
　前橋地裁では「通常の払い戻し手続きで落ち度はなかった」として訴えを棄却したが、東京高裁は「確認が不十分で郵便局側に落ち度がある」とした。
　また、女性が高崎信用金庫（高崎市）を相手に起こした同様の訴訟で、前橋地裁（渡辺和義裁判官）は２７日、「肉眼で発見できる印影の違いを見過ごすなど注意義務違反があった」として、同信金側に請求通り３８０万円の支払いを命じた。【鈴木敦子】

１２月２９日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061229-00000072-mailo-l10