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2006年12月29日(金) 19時44分

<フセイン元大統領>死刑執行日報道に国内混乱 イラク毎日新聞

 【カイロ高橋宗男】死刑が最終確定したフセイン元大統領の死刑執行日を米CBSテレビが28日に「一両日中」と報じたことでイラク国内で混乱が広がった。閣僚からは29日、「年内執行は時期尚早」との意見が噴出、死刑執行の越年を望む政府関係者は「年末年始の宗教行事終了後が適切」などと主張し、独裁者の「Xデー」に向けて諸説が乱れ飛んでいる。
 「(フセイン元大統領は)新年を迎えることはない」。米政府高官は、ルバイエ・イラク国家安全保障担当顧問とのインタビュー内容をCBSが報道した後、「30日にも執行される」との見通しを報道陣に語った。その根拠として「在バグダッドの米政府筋がイラク政府筋から得た情報」と明かした。
 これに対し、イラク政府閣僚から一斉に反発が上がった。
 イブラヒム副法相はロイター通信などに対し、「30日以内の執行は、タラバニ大統領が署名した場合だ。そうでなければ、執行日は司法省が決められる」と述べた。ある閣僚は「年末年始は宗教行事が続き、死刑執行はふさわしくない」と語り、1月7日以降の執行を主張した。
 一方、元大統領から迫害され続けたクルド人は早期執行を期待しているとみられる。しかし、クルド人で死刑制度反対論者のタラバニ大統領の報道官は29日、「大統領の署名は必要ない」と主張。大統領はシーア派とスンニ派の両副大統領に「署名権限」を移譲したという。
 フセイン元大統領は現在、「戦争捕虜」として米軍の刑務所に収容されているため、執行にはイラク政府への身柄引き渡しが必要だ。マリキ首相の側近はAP通信に「(元大統領は)執行の日まで米軍の刑務所にとどまる」と語った。これに対し元大統領のドレイミ弁護士は29日、「戦争捕虜を敵対政権に引き渡すことは国際法違反だ。執行は治安をさらに悪化させるだろう」と述べた。
 一方、フセイン元大統領の親せきのワトバン・イブラヒム元内相らが28日、元大統領との面会を米軍に許可された。AP通信によると、元大統領は収容先の刑務所での面会の際、「受刑の準備はいつでもできている。敵の手にかかるのならば殉教者として本望だ」と高揚した口調で語り、家族あての手紙を託したという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061229-00000045-mai-int