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2006年12月29日(金) 20時24分

フセイン元大統領が親族に別れ 死刑めぐり飛び交う情報朝日新聞

 死刑が確定したイラクのサダム・フセイン元大統領の刑執行日を巡り、様々な情報が飛び交っている。元大統領の弁護人は29日、米軍管理の拘束施設にいた元大統領の身柄がイラク側に移されたと述べたが、イラク司法省が即座に否定。副司法相が「処刑は当面先になる」と述べるなど、法解釈を巡る食い違いも出ている。一方、元大統領は親族に別れを告げ、手紙を託したという。

バグダッドのイラク高等法廷で06年11月5日、死刑判決を受けたサダム・フセイン元大統領=AP

 米国からの報道によると、米政府高官は28日、イラク政府からの情報として「早ければ30日にも処刑される」と述べた。イラク高等法廷のシャヒーン裁判官は26日の死刑確定発表時、「27日から30日以内に執行される」と述べていた。マリキ首相は29日、「刑の見直しも遅延もない」との声明を出した。

 だがイブラヒム副司法相は28日、ロイター通信に「刑の執行は、判決の確定日からではなく、大統領が命令書に署名をして30日以内だ」「少なくとも1月26日まで刑の執行はない」と語った。

 副司法相はクルド人。マリキ首相らシーア派が早期の刑執行を求める一方、クルド人のタラバニ大統領は死刑廃止論者で知られるうえ、クルド人の多くがフセイン元大統領がクルド人虐殺事件でも判決を受けることを望んでいる。こうした思惑が政権内部でぶつかっている可能性もある。

 弁護団の一人アルムーティ弁護士は29日、中東の衛星テレビ局アルジャジーラで「イラク刑法で、祝日の処刑は禁じられている。29日から1月2日までは犠牲祭の祝日で、刑執行はあり得ない」と語った。

 元大統領は28日、拘束施設で兄弟2人と面会し、「敵の手で殉教者となることはうれしい」と語り、家族に向けた手紙を手渡したという。

http://www.asahi.com/international/update/1229/009.html