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2006年12月28日(木) 12時44分

コミケ:人には聞けない? 世界最大のマンガイベントの“真実”毎日新聞 まんたんウェブ

 29日から3日間、世界最大級のマンガイベント「コミックマーケット」が東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれる。「コミケ」の愛称で親しまれ、ドラマ「電車男」に登場したり、ニュースでも取り上げられるなど、一般にも広まっているが、実際どんなイベントなのだろうか……。【猪狩淳一】

 コミケは、一言で言うと人気マンガやアニメなどのパロディーマンガを中心とした同人誌の即売会で、毎年夏のお盆時期と年末の2回開かれている。ただし、その規模が半端ではない。毎日約1万2000、3日間で計約3万6000サークルが出展し、この日のために描き上げた作品を販売する。同人だけでなく、ゲームメーカーや出版社などが出展する企業ブース、マンガやアニメのキャラクターに成り切ったコスプレーヤーが自慢のコスチュームを披露するコスプレ広場などが開かれ、3日間で約50万人の来場が見込まれる。

 マンガ評論家の米澤嘉博さんらが75年に立ち上げた小さな同人誌の即売会からコミケはスタートした。最初は20サークル程度が参加する程度だったが、80年代に入り、「キャプテン翼」などの同人誌が人気を呼び、約400サークル、7000人が参加、東京・晴海の国際見本市会場で開催されるようになった。規模拡大に伴い、89年に会場を幕張メッセ(千葉県)に移したが、91年の夏のコミケで会場側の意向で中止となり、急きょ晴海での開催に変更、東京ビッグサイトがオープンした96年の夏コミケから現在の形式となって続いている。

 コミケ会場に行くと、とにかく人の多さに驚かされる。同様のイベントでは、幕張メッセで毎年開かれるゲーム展示会「東京ゲームショウ」でも、過去最高の来場者数を記録した06年が3日間で17万人。その3倍近い来場者数だから、東京ビッグサイト全館を借り切っても人があふれるようだ。人気サークルの同人誌はすぐ売り切れるため、多くのファンが朝早くから長い列を作る。

 原則ボランティアで同人仲間たちを中心とした準備会が運営しているが、大量の来場者による事故を防ぐため、細心の注意を払っている。会場内を走らないのはもちろん、エスカレーター上を歩くことや徹夜の行列などは禁止されている。行列の整理も大変で、出展者は午前9時までに入場し、午前10時の開会まではいったん会場を封鎖して、来場者を会場内に誘導する。場内の状況によって正午ごろまでは入場制限をしているので、初心者は午後1時以降の来場がおすすめだ。

 出展する同人サークルは、ジャンルやモチーフにする作品によって出展日や区画が分けられており、今回の場合、1日目がアニメやゲームのサークル、2日目が少年ジャンプ系のファンサークルに、創作小説、音楽、特撮など、3日目がオリジナル創作系となっている。毎日1万2000ものサークルが出展するだけに、電話帳のような厚さの「コミケカタログ」(2000円)がなければ、お目当てのサークルを探すのは至難の技だ。

 来場者の列を作りやすい会場の壁際には、人気サークルが集められ、「壁サークル」と呼ばれて出展者のあこがれの的になっている。中にはプロの人気漫画家も交じっていたり、「GTO」の藤沢とおるさんや「大奥」のよしながふみさんらのように、ここからプロデビューする作家も多数いる。マンガ以外では、「月姫」(タイプムーン)や「ひぐらしのなく頃に」(07thエクスパンション)などのゲームソフトが10万本を超えるヒットとなり、家庭用ゲーム機などで販売されるケースもある。

 もう一つの見どころがコスプレ広場だ。この日のために自作したコスチュームを披露するコスプレーヤーさんたちが、キャラに成りきってポーズを決める。本格的なカメラを持ったファンたちが次々と撮影するさまはスターの撮影会のようだ。コスプレにもきちんとしたルールがあり、大きな剣などの小道具や過度な露出は禁止。参加には申し込みが必要で、場内の更衣室で着替え、場外にコスプレ姿のまま出ることはできない。コスプレ広場の横には、企業出展のコーナーがあり、限定品の販売や無料配布もあり、それも人気となっている。ちなみに毎日新聞のアニメ・マンガ・ゲームの無料情報紙「まんたんブロード」の編集部も出展、オリジナルグッズやムック「新世紀エンタメ白書2007」なども販売する。

 コミケは、ファンにとって年に2度の神聖なお祭りの場だ。運営スタッフは、大勢の来場者を誘導するときも常にていねいな態度で、来場者もルールをきちんと守っている姿にはちょっと驚かされる。そんなコミケを育てた米澤前代表は06年10月、53歳の若さで死去した。亡くなる直前の夏のコミケにも入院先から参加し、スタッフにはつらいそぶりも見せなかったという。今回、最終日の31日には米澤さんをしのんで黙とうが捧げられる予定だ。

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