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2006年12月28日(木) 00時00分

納めきれない不祥事 裏金、必修漏れ… 中日新聞

 裏金、いじめ、高校の未履修、公金着服…。さまざまな問題が各地を大きく揺るがしたこの1年。市民の厳しい目が注がれる中、愛知県などの官庁は仕事納めの28日、この1年の区切りをつけた。「信頼を回復したい」。最後まで慌ただしく仕事に追われながら、そう語る職員たち。来年は、失墜した信用を取り戻せる1年になるか−。

●名古屋市

 区役所職員らによる各種証明書の交付手数料着服や公金の紛失が相次いで発覚した名古屋市。松原武久市長は28日、年末会見で「誠に申し訳ない」と2度繰り返し、「再発防止策を取りまとめ、市民の信頼回復に取り組みたい」と決意を述べた。

 松原市長は、これまで行財政改革に取り組んできた経緯を挙げ「『百日の説法屁(へ)一つ』といわれるように、一生懸命やってきても信頼はすぐに失われてしまう」と説明。相次いで明らかになった着服について「毎日チェックしていればこんな問題は起きなかった」と反省の言葉を述べた。

 その上で「市民の信頼を回復することは容易ではないが、監査結果をもとに再発防止に全力を挙げたい」と話した。

●愛知県

 県立高校25校で必修科目の未履修が判明し、27日に校長ら34人の処分を発表した愛知県教育委員会では仕事納めの28日、職員が補習を終えた高校の報告書を確認したり、他県から処分内容について問い合わせを受けるなど終業まで対応に追われた。

 自身も戒告の処分を受けた伊藤敏雄教育長は「生徒や保護者の皆さんに本当にご迷惑をかけた。(処分は)責任者としてのけじめ。再度起こさないよう管理やチェック態勢を整える」と述べた。

 未履修校のうち、必要な補習を終えたのは3校のみ。全校が終了するのは2月末の予定で、6校は冬休み中も補習をしているという。

 25日から28日まで1日4コマの補習をしている豊田西高(豊田市)の橘茂樹教頭は「生徒も落ち着いて勉強している。希望の進路に進めるよう、しっかりやっていきたい」と話した。

●岐阜県庁

 裏金問題に揺れた岐阜県庁。総額約19億2000万円の裏金返還は終わっておらず、県政再生へ向けた取り組みも道半ば。刑事事件として捜査も続いており、“仕事納め”という雰囲気からはほど遠い状況だ。

 28日も朝から、古田肇知事ら幹部が出席して県政再生推進本部員会議が開かれ、県政再生について議論があった。古田知事は「今年は疾風怒濤(しっぷうどとう)の1年だった。試練の中で、組織、職員一人一人が試された。今後、この試練をしっかりと乗り越えることが大事だ」と訴えた。県庁では午後3時から、管理職を集めた仕事納め式が開かれる。裏金返還をめぐっては、OB負担分の4割強の約3億6000万円が未返還。年明け早々にも返還計画の再検討が必要になりそうだ。

●文科省

 相次ぐ子どものいじめ自殺や、高校の必修科目の履修漏れなどの問題が今年後半、一挙に直撃した文部科学省。約60年ぶりとなる教育基本法改正の国会審議と重なり、徹夜作業が続く“不夜城”と化していたが、予算編成も終わり、静かな年の暮れに。

 伊吹文明文部科学相などへの、いじめ自殺予告手紙は27日までに54通。うち17通は差出人が特定された。担当する児童生徒課も、一時は24時間の待機が続いた。

 来年1月には「実態を把握していない」と批判が強まった、いじめや自殺の調査方法を見直したうえで、新方式の調査票を都道府県教委などに送付する。「宿題はいろいろ残っている」と木岡保雅課長は話している。


http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20061228/eve_____sya_____016.shtml