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2006年12月25日(月) 21時52分

在日っていいよ 日本も韓国も好きと言える朝日新聞

 大阪市生野区に住む在日コリアン3世の大学院生、金益見(キム・イッキョン)さん(27)が在日であることの魅力を伝えたいと、ホームページ(HP)「まきずし大作戦」を立ち上げた。各界で活躍する在日コリアンにインタビューし、同世代に親しんでもらえるようにと、自作のイラストや漫画で紹介している。「日本も韓国も大好き」。そんな思いに共感してもらえる仲間を増やすことが目標だ。

 きっかけは、昨年12月に本屋でたまたま手にした1冊の漫画本だった。韓流ブームをやゆし、韓国を非難する内容だった。一気に立ち読みしたが、その中傷の矢は、在日コリアンである自分にも向けられているように感じた。「何か自分にできることをしなければ」と思い立った。

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 生野区で生まれ育った金さんは、地元の公立小中学校に通い、言葉や文化を学ぶ「民族学級」にも参加した。チマ・チョゴリを着て舞い踊る女の子の姿を見て、素直に「きれいやなあ」と思ったからだ。

 幼いころから、食卓には母親手づくりのキムチとぬか漬けが並んでいた。法事のときはチマ・チョゴリに袖を通し、七五三では着物を着た。韓国と日本のどちらのものとは意識せず、日常の中で自然と両国の文化に接してきた。「日本も好きだし、韓国も好き。どっちも好きと素直にいえる在日って、いいと思いませんか」

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 そんな在日の魅力を伝えることで、日本も韓国も好きな人を増やしたい——。そう思い立った金さんは今春、東京の出版社を飛び込みで回った。「在日コリアンのインタビュー本を出したい」と提案したが、行く先々で門前払いにされたり、断られたりした。落ち込む間もなく、「自分でHPをつくればいいんだ」と思い直した。

 HPは11月初めに開設。たくさんの人を巻きこみたいとの思いから「まきずし大作戦」と名付けた。つてを頼るなどしてこれまでに、在日2世のクラブオーナーママ茂山貞子さんや、パフォーマーの金昌幸さんらを取材し、漫画などで紹介している。

 すでに反響も寄せられた。神奈川県の母親からは「中学1年の息子と一緒に見たら『おもしろい』と言っています。息子を救ってくれてありがとう」というメールが届いた。在日外国人に対する偏見をにじませた言葉を口にする息子を心配していたという。

 金さんは「在日は『差別される存在』として描かれることが多いですが、それを踏み台にして何かをなし遂げた人、元気をもらえるような人をどんどんと紹介していきたい。在日について何も知らない人が在日を知る最初の扉になれば」と話している。

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 HPのアドレスは
 http://www.makikome.com/

http://mytown.asahi.com/osaka/news.php?k_id=28000000612250007