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2006年12月23日(土) 08時00分

日興 後継人選は難航 信頼回復へ刷新不可欠産経新聞

 日興コーディアルグループによる利益水増し問題は有村純一社長、金子昌資会長の退陣に発展する見通しとなった。不適切な会計処理をめぐり、証券取引等監視委員会と異なる説明により、甘い社内処分で決着を図ろうとした経営陣に、山本有二金融担当相ら各方面から厳しい批判の声が上がったためだ。ただ、証券不祥事と金融不況で苦境に陥った旧日興証券を、強い指導力で復活させた金子会長らの後継にも混乱が予想される。(原口和久)

 同社は今月18日の会見で、傘下の投資会社と特定目的会社(SPC)との取引に伴い発行された債券をめぐる不手際の事実を明らかにし、「担当社員のミス。ミスを隠そうとして議事録など関係書類の改竄(かいざん)を単独でやった」(森田收執行役)と説明。これを理由にSPCを連結対象に加えたとした。

 これに対し、監視委は「もともと連結対象に入れねばならないもの」と日興コーデの主張に不快感を示し、社員のミスとした点も「組織的に行われた」とみている。

 18日付で監理ポスト入りした同社株の扱いについて東京証券取引所は厳しい結論を下す可能性もある。上場を目指す企業を指導する立場の証券会社が自らの不祥事で上場廃止となれば、信頼は地に落ちる。

 日興コーデ離れも進む。一部機関投資家が日興グループへの発注停止を決めたほか、個人向けの日興コーディアル証券各支店に顧客の問い合わせが殺到している。

 さらに、日興コーデ内部にも混乱がみられる。グループの営業社員が22日朝、同社主要株主へのおわび連絡に、同日朝の「同社首脳陣辞任へ」との一部報道を正式決定と思い込み、「迷惑をかけています。今度、社長が代わりますから」と説明していた。営業現場ではトップ退陣を期待しているかのような状況だ。

 首脳陣辞任は避けられないが、問題は根深い。

 総会屋への利益供与事件を受けて平成9年10月に旧日興証券社長に就任した金子会長は、親密だった三菱グループと離れて米シティグループと提携、日興コーデとして復活させた実力者。有村社長も3年半前に就任したばかりだ。

 だが、この問題で日興コーデの業績回復が、証券会社には最も大切な投資家や市場を欺いて築いたものと指摘されても仕方がない。信頼回復に「金子・有村体制」の刷新は不可欠だが、この難局を乗り切れる人材も容易に見当たらない。

 同社は2年前に委員会等設置会社に移行し、現取締役は8人のみ(社外取締役を除く)。このため、「人選は難航する。トップ2人の最終決断には時間がかかるかもしれない」(証券関係者)との見方も出ている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061223-00000011-san-bus_all