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2006年12月22日(金) 00時00分

言葉をお金に変える——グーグルアドワーズ読売新聞

ネット広告 1クリックするだけで2000円以上になることも

グーグルで検索すると、結果の上側・右側に広告が表示される。検索キーワードに合った広告が自動的に選ばれる仕組みだ

 ネット広告の世界では「言葉」はそのまま「お金」に直結している。何の気なしに入力した検索キーワードや、ブログに書いた言葉の1つ1つがお金に生まれ変わっている。

 グーグルで検索すると、ページ右側や上側に広告が表示されるのはおなじみだろう。これは検索キーワードに合わせた広告を表示するもので、キーワード連動型広告と呼ばれている。その代表例ともいえるのが「グーグルアドワーズ」だ。また新聞社のニュースサイトや、個人ブログを見ていると、必ずといっていいほど「Ads by Google」の文字を見かける。これもグーグルが配信しているネット広告「アドセンス」だ。

 例えば携帯電話のニュースであればケータイショップの広告が入り、映画の話を書けばDVDレンタルの広告が表示される。記事やサイトの内容に合った広告が、グーグルから配信されてくるわけだ。

 これはグーグルのロボットが、記事の文章を自動的に解析するため。サイトの運営者は特別な設定の必要はなく、ただ記事さえ書けば、グーグルが自動的に広告をセレクトして表示する。広告主から見れば、売りたい商品やサービスに合った記事に広告を出したい。その方がお金になる顧客をつかめるからだ。広告主のニーズと、サイト運営者の収入のどちらも満足させるのが、グーグルアドワーズ、アドセンスである。

人気キーワードに入札

 広告主になったつもりで、アドワーズのシステムを見てみよう。広告を出すには、まずキーワードを決める。例えばエステサロンの経営者なら「エステ」「アロマ」といったキーワードを狙う。このキーワードでの検索結果や関連するサイト、ブログなどに広告を出すためだ。

 ただし人気キーワードではライバル会社も広告を出したがるので、広告費用は入札となる。アドワーズは1クリックにつきいくらで広告費が発生するので、「1クリックの平均単価」を入札することになる。

 例えば先ほどの「エステ」は人気キーワードで、1クリック当たりの平均単価は244円。「脱毛」なら何と532円もする。この価格は絶対的なものではないが、広告で顧客をつかむために必要な平均的単価と考えていいだろう。

 クリック単価の高いキーワードをピックアップしてみた(左下表)。例えばADSLや光などの接続サービス関連では「adsl光」で529円、「光tepco」では1550円ものクリック単価となっている。もっとすごいのは消費者金融関係で「キャッシング」で2074円、「カードローン」は2373円もしてしまう。それほど広告を出したい企業が多いということ。サイトを見てもらうだけで2000円もの費用をかけるのだから、よほどもうかるビジネスなのだろう。

 ユーザーの動向調査によると、漫然とニュースサイトを巡回するユーザーより、キーワード検索するユーザーの方が、売り上げにつながるそうだ。検索する人は、何かを探そうとしている積極的なユーザーなので、商品などを買う可能性が高い。それだけに広告主は検索キーワードに敏感になっているというわけだ。(三上洋・テクニカルライター/2006年11月24日発売「YOMIURI PC」2007年1月号から) 

ロボット 自動的にサイトを巡回するプログラムのこと。グーグルアドワーズでは、広告配信のための専用ロボットが動いており、サイトの記事内容を分析して広告を配信する。記事をサイトにアップすると数時間で、内容に合った広告が配信される。

http://www.yomiuri.co.jp/net/frompc/20061222nt05.htm