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2006年12月22日(金) 00時00分

安易な光脱毛 ご用心朝日新聞

  具体的な違反基準なく

 医師免許なしで医療行為の光脱毛をしたとして医師法違反罪に問われたエステティックサロン経営、山本亜希子被告(41)=山科区勧修寺西金ケ崎=の判決公判が21日、京都地裁であり、有罪判決が言い渡された。光脱毛は女性らに人気が高い一方、やけどなどのトラブルも多い。業界の対応はなお不十分だ。

 氷室真裁判官は懲役1年罰金80万円執行猶予3年(求刑懲役1年6カ月罰金100万円)を言い渡した。判決によると、山本被告は05年1月〜今年3月に計615回、医師ではないのに客112人の脇や腕などに光脱毛機で光線をあて、毛根部分を破壊する医療行為をした。

 裁判で検察側は、やけどなどのクレームが106件あったとし「クレームに気付きながら、安易に光脱毛行為を続けた」と指摘。弁護側は同じ光脱毛機は全国134店にあるが、医師がいるのは2店だけとし、「業界では、光脱毛に医師免許は不要とする認識が一般的だ」と反論していた。

 日本エステティック業協会(東京)によると、光脱毛は00年ごろから普及した。操作が簡単で料金が安いのが特徴。今では市場の6〜7割を占めるまで成長した。しかし、同協会の天辰文夫副理事長は「人件費を減らそうとパート従業員を使い、誤操作でやけどを起こしている」と指摘する。

 脱毛によるやけどなどの相談は、国民生活センター(東京)に05年度だけで228件寄せられた。下京区で美容クリニックを営む女性医師は「アトピーなどの患者もいて皮膚科の知識やノウハウがいる。医師以外がアルバイト感覚で施術したら危険」と警告する。

 一方、中京区のエステサロンで働く女性(38)は医師免許はないが、機械の納入業者から光の調整方法などを学んだ。業界で16年働いている経験から「肌の相談にのっているだけ。お客さんも診察してほしいわけではないと思う」と言い切る。

 厚生労働省医事課は01年11月、通達で医療行為の基準として「医師が行うのでなければ保健衛生上危害の生ずるおそれのある行為」を示した。だが、具体的な違反行為の基準は明記されていない。担当者は「同じ機械でも、子どもやお年寄りなら危険性も違う。違反かどうかは個別の事例による」と歯切れは悪い。

 光脱毛を巡っては、02年ごろから、大分や神奈川、岐阜の各県でも医師免許を持たずに施術したとして、サロン経営者が摘発されている。

 八つの業界団体でつくる日本エステティック連合やNPO法人日本エステティック機構(東京)などは、業界の統一的な資格制度や機器の安全な使用法の確立や普及を目指した取り組みを始めている。しかし、具体的なめどは立っていない。

http://mytown.asahi.com/kyoto/news.php?k_id=27000000612220003