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2006年12月20日(水) 00時00分

ネット配信 音楽の新しい扉を開く読売新聞

 音楽ビジネスが転換期を迎える中、「rookiestar(ルーキースター)」という名の音楽制作・販売会社(レーベル)がビクターエンタテインメントから11月中旬に誕生した。総責任者の高垣健さんは、サザンオールスターズの生みの親として有名だ。設立の経緯などを聞いた。

「最大目標を達成するためのレーベル」

高垣 健  たかがき・たけし
ビクターエンタテインメント株式会社常務執行役員
1948年兵庫県生まれ。1971年に早稲田大学商学部卒業後、日本ビクター入社。現在はビクターエンタテインメント株式会社常務執行役員。サザンオールスターズをはじめ、松田優作、泉谷しげる、UA、Cocco、くるり、斉藤和義などを手がける。1992年6月に「スピードスターレコード」設立。2005年1月に「ベイブスターレーベル」、2006年11月には「ルーキースター」レーベルを立ち上げた。
http://www.rookiestar.jp/
——「ルーキースター」は、どのようなレーベルなのですか。

高垣 レコード会社では、新人の発掘や育成、プロデュースなどを行うレーベルという機関が、あたかも個別の会社のようにビジネスを展開しています。しかし、ルーキースターは全社横断型です。社内のどの部署や他レーベルとも協力し合い、密接に仕事をしていきます。これが第一の特徴です。

 第二の特徴は、ネット専門だということです。パソコンや携帯電話を使ったネット配信でのみ、楽曲を販売します。CDシングルを販売してきたこれまでの方法とは異なり、一切店頭販売しません。

——今までの事業とは異なる方法をとるのですね。

高垣 はい。例えば、サザンオールスターズは「タイシタレーベル」で長期的に契約し、音楽活動をしてきました。こういった形態を長期滞在型とするなら、ルーキースターは一時預かり的、というイメージです。

——ネットに特化したのはなぜですか。

高垣 ネットでの音楽市場を拡大、活性化したいと思ったからです。日本では、アップルコンピュータの運営する「アイチューンズ・ストア」が2005年8月から、タワーレコードの子会社が運営する「ナップスター」サービスが今年の10月から始まっています。携帯電話の音楽配信環境も整いつつあり、CDやDVDなどパッケージ化されたもの以外のビジネスも活発化しています。

——ネット販売は伸びているのですか。

高垣 日本レコード協会によると、音楽市場では売上の約85〜90%をパッケージ商品が、残りの約10〜15%をダウンロード型の配信販売が占めています。ただし、今年7〜9月の配信販売売上は、前年同期比43%増です。

——ネットならではの特徴は何でしょう。

高垣 例えば、すでにビクターエンタテインメントのいずれかのレーベルに所属していて、実力はあるが曲数が少ないなどの理由でなかなかCDデビューができないアーティストがいるとします。そういう時は「1曲だけ配信する」という契約を、ルーキースターと結べばよいのです。1曲からでもデビューできる点がネットならでは、と言えます。

——どのような事業を目指していますか。

高垣 音楽ビジネスの最大の目標は、1枚でも多くのアルバムをお客様に買ってもらうことです。多大な労力やコストを費やし、何年もかけて制作したアルバムには、アーティストやスタッフの思いがこもっており、それを届けるための手段として、宣伝やコンサートがあるのです。

 ルーキースターは自らをそうした手段の1つと考えています。1曲から販売できることで、今までの数曲入りのシングル盤よりも、その1曲の魅力を最大限に音楽ファンの皆様に伝えることができると思っています。

——販売だけでなく、新人発掘もネット上で行うそうですね。

高垣 はい。ネットオーディションの可能性を徹底的に追求したいと考えています。すでにサイト内で行ってはいますが、今後は様々な形の企画もしていきます。埋もれている才能となるべく多く出会い、それらが開花する手伝いをしたいのです。

——スタッフのブログも好評ですね。

高垣 私たちの音楽への思いを伝えながら、ルーキースターをよく知ってもらおうと、現場スタッフが更新しています。音楽以外のことを書けば、より人間味も感じてもらいやすいでしょう。内容が多岐に渡れば、検索サイトで発見されやすくなるので、より多くの人にルーキースターブログを発見してもらいたい、という期待もあります。

http://www.yomiuri.co.jp/net/interview/20061219nt08.htm