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2006年12月16日(土) 13時37分

司法制度改革TMで「やらせ」準備文書朝日新聞

 「関係者受付」を通り、一般席に紛れた「指定席」に着席。その隣には「同行者」が付き添う——。裁判員制度などを語る司法制度改革タウンミーティング(TM)で事前に質問を振り付ける「やらせ」があった問題で、質問を依頼した人への対応を示した準備文書が明らかになった。法務省などが「官製討論」を演出した実態が浮かぶ。

司法制度改革TMでつくられた座席表のイメージ

 04年末に東京であった初の司法制度改革TMの座席表は8色刷り。白の一般席の中で、質問順を示す数字入りの六つの「質問者」席のピンク色が特に目立つ。隣に「同行者」席。質問を頼んだ法務省関係者が座る。

 質問順のチャートでは、6人の質問者の間に「本物」の一般参加者を3問はさんでいる。

 質問者6人の名は法務省幹部らとともに「関係出席者リスト」に並ぶ。「受付対応」欄では、最初に関係者受付に案内。一般参加者としての名札を渡し、「指定席」に座らせるように指示されている。「※座席を確認の上、ステージに連絡」と注意も促している。

 「質問者(3) 私には弁護士さんの知り合いなんかいませんし……」。想定問答集も完備した。

 「限られた時間で制度を周知したいと、国民の疑問点の最大公約数を想定したQアンドAを作った。役人の仕事を全うしただけ」と法務省幹部。「罪の意識は、ない」

 このTMに誘われて出席した都内の女性会社員(38)は「要領を得た質問が次々に出るもんだと感心した。確かに理解は深まったが、結局は私たちの存在も広報の道具だったのかな。だからと言って、自分が自主的に質問したわけでもない。そんな消極性が『やらせ』を後押ししたところもあるとも思う」と話した。

http://www.asahi.com/national/update/1216/TKY200612150400.html