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2006年12月16日(土) 08時01分

苫小牧CO中毒、同機種で10人犠牲朝日新聞

 北海道苫小牧市のアパートで子ども5人を含む計7人の遺体が見つかった事故で、不完全燃焼を起こしたとみられる石油ファンヒーターを巡っては、過去に計10人が犠牲となる7件の死亡事故があり、メーカーが86年から自主回収していたことが道警の調べで分かった。メーカーは9割ほどを回収し、古い機種であることから現在はほとんど出回っていないとみていたが、回収し切れていない中から今回の被害が出たとみられる。

事故があった機種のトヨストーブ「LCR−3」

 調べでは、7人はいずれも一酸化炭素中毒死だった。道警は室内にあったヒーターが不完全燃焼を起こし、発生した一酸化炭素により中毒を起こしたとみている。15日から現場のファンヒーターを使って再現実験を行い、機器に起因する事故か、使い方に問題があったかを捜査している。

 このヒーターは豊臣工業(現トヨトミ、名古屋市)製。同社によると、問題の機種はトヨストーブ「LCR—3」。82〜83年に2万641台製造した。不完全燃焼の恐れがあると、音や炎の色で警告を出す設計だが、当時は自動停止装置がなかった。1年後に停止装置を付けた改良型を出したが、83年10月に富山県で3人が死亡する事故が発生したのを始め、98年12月までに、7件の事故で計10人が死亡した。

 同社は86年2月から回収に乗りだし、これまでに1万8847台(91.3%)を回収した。回収は今も続けているとしているが、同社幹部は「自然消滅や破棄されていたと思っていた」と話している。

 この機器は、灯油を燃やし、暖めた空気を吹き出す方式。室内の空気を燃焼に使い、室内に排気するため、使用者には1時間に1〜2回の換気をするように注意を促すシールを張っていた。

 同社が道警から受けた説明だと、今回の事故ではヒーターの左側面にあるメッシュ状のフィルター付き空気取り入れ口がほこりで目詰まりし、吸気がうまく行かない状態だったという。

http://www.asahi.com/national/update/1216/TKY200612150390.html