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2006年12月14日(木) 15時00分

ヤミ金返済、近所迷惑なら転居…警察が上申書書かせる読売新聞

 ヤミ金融業者が埼玉県ふじみ野市に住む50歳代の主婦の借金肩代わりを近隣住民に迫り、苦情を受けた埼玉県警東入間署が主婦に「今後、近隣住民に被害があった場合は早急に引っ越す」とする上申書を書かせていたことが14日、わかった。

 同署は不適切だったと認め、担当した生活安全課の警部補を口頭注意とした。

 同署やヤミ金融被害対策埼玉弁護団によると、主婦は昨年秋、ヤミ金融業者から約5万円を借り、利子を含め約20万円の返済を迫られていた。業者が家族の職場に押しかけるなどしたため、主婦が昨年11月、同署に相談。今年1月には被害届を出したが、同署は被害届を受理しなかった。

 一方、業者は複数の近隣住民に「立て替えろ」と迫るようになり、住民が同署に苦情を寄せた。警部補は2月3日、主婦を同署に呼び「次に同じようなことがあったらどうする」と質問。主婦が「出ていくことも考えなければ」と答えると、「それを書いてもらえますか」と、署長あての上申書を書かせ、署名、押印させた。

 その後、同署の対応に不信感を持った主婦が同対策弁護団に相談し、2月6日、県公安委員会に苦情申出書を提出した。県公安委員会は8月、「一部誤解を招くような対応があったと認められる」と回答し、同署も苦情申出書提出の数日後、告訴を受けて捜査を始めた。

 斉藤紀美雄署長は、上申書を書かせた理由を「近隣住民から再度苦情が来た際に説明するため」と釈明する一方、「被害者の心情に配慮しない行き過ぎた行為だった」と話した。対策弁護団の長田淳弁護士は「犯罪被害者の人権を侵害する対応だ」としている。

 一方、1月に被害届を受理しなかったことについて、斉藤署長は「被害について検討している途中だった」とするが、対策弁護団は「十分な聴取をされなかった」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061214i106.htm