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６０代主婦。同年代の夫、２０代の娘と暮らしています。私は難病の治療中ですが、一人で生活はできます。
今夏、夜中にトイレに起きたときのことです。廊下で、別室に寝ている夫を見かけました。あわてる夫。その後ろを娘が逃げるように２階に上って行きました。その後も同じようなことが続きました。
二人は関係を持っているようなのです。問いつめましたが、「病気で疲れている。妄想だよ」と否定しました。
私には地獄です。二人は日々大胆になります。私は夜眠れなくなり、ガリガリにやせてしまいました。
離婚の話もしました。家を売り、お金を分けて、将来は介護サービスを受けながら、別居することもできます。でも私は住み慣れたこの家で最期を迎えたいのです。家にこだわりたいのです。二人は私の病気が進行するのを待っているようです。二人がのうのうと生きているのを見ると、憎く、悔しくてなりません。
弁護士などにも相談しましたが、納得のいく結論は出ません。私はどうすればいいですか。（東京・Ｒ子）
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衝撃的なお手紙をちょうだいしました。同じ屋根の下に住んでいる夫と娘が近親相姦（そうかん）の関係にあって、妻であり母であるあなたは難病にかかっており、苦悩のためガリガリにやせてしまったということです。
私はこのことがあなたの妄想であることを願う気持ちもあり、双方から事情を聞かなければ真実はわからないという気持ちもあるのですが、情報はあなたの手紙だけです。その範囲で私の言えることをいいます。
ここまで関係がこじれた家族は、元に戻ることは不可能です。ですからあなたは、家を出る算段をした方が賢明だと思います。あなたは家にこだわり、家で最期を迎えたいと願っていますが、その家にはあなたが絶対的に憎んでいる人が住んでいるのですよ。ですから全部捨てる覚悟をしてしまえば、苦しみはずっと減るはずです。
家を売ったお金を分けて、今のところ一人で生活できるというあなたは、家を出る道を探るべきです。地獄から抜け出してください。
（立松 和平・作家）