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2006年12月09日(土) 00時00分

ホッキョクグマ、子づくり出張/徳山動物園朝日新聞

●● ホクト、愛媛・とべ動物園へ

        24日にお別れ会  ●●

  周南市の徳山動物園の人気者、ホッキョクグマのホクトが、繁殖のため愛媛県砥部町の県立とべ動物園で「お見合い」をすることになった。絶滅の危機にある希少種を守るためで、20年間慣れ親しんできた動物園を離れるホクトのお別れ会が24日に開かれ、26日に旅立つ。帰郷は2年半後の予定という。

   (田中章博)

  ホクトは体長250センチ、体重300キロ、推定年齢は22歳で人間なら50代半ば。雌のユキとペアで20年間、徳山動物園で飼育されてきた。

  水泳選手のようにバックターンするユキが一般客に人気なのに対し、ホクトは水面から顔を出す際に豪快に水しぶきを飛ばす「男前」ぶりがアマチュア写真家に知れ渡り、福岡県や広島県から団体で撮影に来るほどだった。

  ただ、2頭は仲がいいものの子どもには恵まれず、高齢を迎えつつあることから、雌しかいないとべ動物園の貸し出しの申し入れを受け入れ、最後のチャンスにかけることになった。

  相手のバリーバは16歳。出産は99年と01年の2度。99年に生まれた子どものピースは、国内の人工保育の記録を更新中だ。

  ホクトとの間で生まれた子どもは、徳山、とべの順で交互に引き取る。担当の平岡大宙さん(25)は「送り出すのは子どもが生まれるのを願ってのこと。大役を果たしてきてほしい」と期待をかけている。

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●● 151頭生まれ、生育わずか19頭/国内動物園 ●●

  ホッキョクグマは国内の動物園で50頭(05年末現在)が飼育されている。北海道の旭山動物園の福井大祐獣医師によると、元々生息域は北極圏に限られ、出産頭数も少ないうえ、地球の温暖化で生息環境が悪化、絶滅の危険が増している。このため、カナダなど国外から新たに連れてくることは難しいのが現状だ。

  これまで国内の23施設で子グマは151頭が生まれたが、生育したのは6施設で計19頭に過ぎない。安心できる産室で産めなかった場合、親が育児を放棄することが多いからだという。

  国内の動物園が協力して繁殖が必要となっているが、国内では雄が20頭と少なく、年齢的に交尾が可能な個体も限られている。見合い相手としてホクトに白羽の矢が立ったのは、今後も国内でホッキョクグマが見られるように、数少ないチャンスを生かさなければならないことが背景にある。

http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news.php?k_id=36000000612090004