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2006年12月08日(金) 00時00分

エイワン投資詐欺、株の売買 実態なし朝日新聞

 株式投資の運用代行をうたい、投資家から集めた金を詐取したとして7日に逮捕された貸金業「エイワン・コミュニケーションズ」(東京都)の事実上の経営者、菊地信慈(58)ら5容疑者は、顧客のために株を売買した実態がなく、「客殺し」と呼ばれる手口で出資金をだまし取っていたことが県警の調べでわかった。全国に及ぶ被害者の一人は「逮捕はよかったが、出資金は戻るのか」と不安な心境を語った。

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 調べでは、菊地容疑者らは01年11月、同社のホームページを見て問い合わせをしてきた都内の清掃業手伝いの女性(34)に電話をかけ、「会社が持っている有望株を1割引きで売る」などと勧誘。同12月〜05年11月に計5回、計253万円を会社の口座に振り込ませ、だまし取った疑い。

 「チーフアドバイザー」の尾沢加代子容疑者(61)=東京都品川区西五反田4丁目=が電話をかける営業を担当し、名義上の社長で「管理部長」の柴高萬正容疑者(73)が、会社の金の出入りを管理していたという。

 また、同社は「客殺し」と呼ばれる手口で、利益を確保していたとされる。実際の株価の変動に合わせた架空の取引で運用損を出し、投資家の出資金が徐々に目減りしたように見せかける手口だったという。県警は、一連の行為が会社から金の流出を止めるために、菊地容疑者の指示で行われたとみて、慎重に調べる。

 同社は株運用代行をうたい、00年5月からこれまでに全国47都道府県の約2500人から約136億円を集めたとみられる。しかし、投資家のために株を運用した実態はなく、取引実績はすべて自社のためのものだった。同社は一部の投資家への返金や配当の要求には応じたものの、うち約48億円が使途不明金になっている。今年2月に同社が失跡する直前は、投資家から入金された出資金を、別の投資家への返還に充てる「自転車操業」の状態だったという。

 同社には、多いときでのべ約130人の従業員がいたとみられる。投資家に株購入を勧める営業担当者には、25万〜30万円の基本給に加え、投資家からの入金額に応じて歩合給が支給された。

 証券会社出身者もおり、月々100万円以上を手にする者も多かったという。県警は、勧誘文句についても菊地容疑者から営業担当者に具体的な指示があったとみている。

http://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000000612080001