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2006年12月08日(金) 00時00分

株売買詐欺容疑で5人逮捕  蓄え失い『自殺考えた』 東京新聞

 全国の約二千五百人から百三十六億円もの資金を違法に集めた、元貸金業者「エイワン・コミュニケーションズ」の事実上の経営者菊地信慈容疑者(58)ら五人が七日、県警に逮捕されたことで、大型詐欺事件の実態解明は本格化する。巧みな言葉で現金をだまし取られた顧客の中には、蓄えのすべてを失った人もいる。同じような被害者は、県内にも百十数人いるという。

 「人がまったく信じられなくなり、一時外を歩けなくなった。自殺まで考えた」。甲府市の会社員男性(36)は、子どもの養育費を含め約一千万円だまし取られ、蓄えのすべてを失った。

 資産を増やそうと、さまざまな投資顧問会社に接触していた二〇〇二年冬、いきなり「エイワンで株をやらないか」と携帯に電話があった。最初は断ったが、四回目の電話で「ある株を二日で上げて急に下げる。だまされたと思って見ていて」と言われ、実際にそうなった。

 会社を実際に見て、タンス株と約十万円を投資。同社から送られてきた「計算書」を見ると利益も出ているし、配当金も振り込まれた。昨年春ごろにはファンドを勧められ、追加投資した。

 すべての貯蓄をエイワンに投資してもどうかと思い、今年に入り株もファンドも解約を持ち掛けた。ところが「もっと利益が出る」「今、会社の状態が悪いから、もう少し待って」と言われているうちに会社は閉鎖されてしまった。

 約一千万円をだまし取られた、という東京都世田谷区の不動産業男性(54)は「泣き寝入りはしたくない」と、数人と損害賠償を求める民事訴訟を起こす準備を始めた。

 年金や株券など、計一億一千万円相当を預けていた千葉県我孫子市の無職男性(71)は「最近、菊地容疑者が、のうのうと同様の商法をやっていると聞き、悔しさのやり場がなかった。逮捕で少しは気持ちの整理がつく」と話した。

■無表情のまま連行家宅捜索

 東京都中央区佃二の菊地容疑者の自宅マンションには、七日午前六時半ごろから、県警の捜査員が次々と入っていた。菊地容疑者は、自宅の家宅捜索に立ち会った後の同十時四十分ごろ、捜査員三人に囲まれて無表情のままマンションを出た。時折、顔を覆うようにしながら県警が用意した車に乗り込み、鴻巣署に向かった。

 同じマンションに住む男性会社員(42)は、「派手な服装の女性や、怖い感じの男性と一緒に住んでいたようで、何となく怖かった」と話した。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/stm/20061208/lcl_____stm_____000.shtml