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2006年12月08日(金) 00時00分

BSデジタル受信機普及2千万台突破 東京新聞

 BSデジタル放送受信機の普及台数が、開局から六年の今月、二千万台を突破した。BSデジタル放送推進協会(BPA)の七日の発表によると、普及台数は二千七万台(4日現在、推定値)。当初は伸び悩み、新規参入の民放五局は赤字続きだったが、チューナーがセットになった地上デジタルテレビの普及で急増。黒字に転じる局も現れた。 (千万勲、藤浪繁雄)

 「最近、反響の大きい番組の翌日は、視聴者からの電話で仕事が手に付かないんですよ」。こう笑うのはBS朝日の岡田亮編成制作局次長。先月の紀行番組「イタリアへ:」は、特にすごかったという。「須賀敦子さんのエッセーを淡々と朗読し、街の風景を二時間映しているだけなんですが。地上波では絶対放送できない番組ですね」

 BSデジタルには、アナログと同内容のNHKなどとともに、地上波の民放キー局と系列関係にある新会社五局が参入した。ゼロからの出発のためCM収入は微々たるもので、苦戦を強いられてきた。

 人気の地上波番組や、外からの持ち込みで丸々収入となる通販番組を集めているが、自社制作の費用は地上波の一−二割。各局は複数の放送分を一度に収録したり、高額なセットを使わずにショールームを借りたりして経費を削っている。

 努力と並行して、普及台数はこの一年で倍増した。BS日テレの長尾泰希営業編成局次長は「サッカーW杯と五輪のニーズが大きかった。CMスポンサーには番組を評価していただけるようになった」という。

 BSの番組が、時代に合ってきた点もある。高齢化に伴い、にぎやかな番組ばかりの地上波に飽き足らない人が増えてきた。紀行やドキュメンタリー、教養番組をじっくり見せるBSは、もともと中高年層向け。出演料の高い人気タレントを使わない方が、逆に落ち着いた番組になる。

 そんな中で、BSフジとBSジャパンが今年上半期、初の黒字を計上した。BSフジは「営業と編成部門を一つにして“売れる番組”を作るようになった。制作会社などと資金を出し合う手法も要因」と説明する。

 一方のBSジャパンは他局と事情が異なる。キー局のテレビ東京と系列の地上波が全国をカバーしきれていないため、番組の多くを共通化。番組作りや営業など現場の作業を、すべてテレ東に委託することができた。当初四十人以上いた社員は、六人しかいない。

 ただ、黒字は数千万から一億円台。各局は百億円単位の累積赤字を抱えており、簡単には解消できない。開局時と比べ、通販番組も増えた。全体の20−30%、特にBS朝日は半分ほどを占める。平日の日中と深夜は、ほとんど通販だ。

 「自社制作番組は費用が回収できず縮小した。空いた枠で何かを放送しないといけなかった」と岡田次長。「ただ、二千万台を突破すると昼間も視聴者が増えてくる。来年四月以降、手を加えなければ」

 制作費を増やせば、質の高い番組ができる。やっと商売が成り立ってきた今が、勝負どころといえそうだ。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/hog/20061208/mng_____hog_____000.shtml