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2006年12月08日(金) 11時50分

水谷元会長、脱税の起訴事実認める 東京地裁で初公判朝日新聞

 土地取引で損失が出たように装うなどの手口で計約11億4000万円を脱税したとして、法人税法違反の罪に問われた中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県桑名市)の元会長で実質経営者の水谷功被告(61)らに対する初公判が8日、東京地裁であった。水谷元会長は罪状認否で、「脱税をした事実はその通りです」と起訴事実を認めた上で、「脱税した金をためていたわけではない」などと述べた。

 同社の元経理担当常務、中村重幸被告(56)と、法人として同法違反の罪に問われた同社の川村尚社長(49)も、いずれも「間違いありません」と起訴事実を認めた。

 水谷元会長は冒頭の意見陳述で、「請け負った事業を円滑に進めるために、表に出せない資金を作ってしまった。その処理に困って不正な経理をせざるを得なくなった」と述べた。

 これに対し、検察側は冒頭陳述で、水谷元会長が中村元常務に対し、「経理は利益を出しすぎている。もっと利益を抑えて税金を少なくできるように、うまく処理しろ」と指示していたなどと指摘した。さらに、中村元常務が「98年から表に出せない交際費や使途不明金が多くなり、水谷元会長の指示により、帳簿上処理した」と供述していたことを明らかにした。

 起訴状などによると、水谷元会長らは共謀し、03年8月期と04年8月期の2年間にわたり、福島県いわき市内の土地を高値で買い取ったように仮装し、売却時に多額の損失が出たように見せかけるなどの手口で、計約38億円の所得を隠し、計約11億4000万円を脱税したとされる。

 水谷建設をめぐっては、準大手ゼネコン「前田建設工業」(東京都千代田区)の下請けとして、福島県発注の木戸ダム建設工事を受注。見返りに、同県前知事の佐藤栄佐久被告(67)の実弟の経営会社が保有する土地を地価より高く購入したことが前知事らに対するわいろにあたるとして、東京地検特捜部が前知事を収賄容疑で逮捕する汚職事件に発展した。

http://www.asahi.com/national/update/1208/TKY200612080188.html