2006年12月07日(木) 17時18分

詐欺　株買わずに詐取　東京の会社幹部ら逮捕　埼玉県警（毎日新聞）

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任意同行を求められ自宅マンションを出る菊地容疑者＝東京都中央区で７日午前１０時４０分ごろ、山崎征克写す 　 　「わが社で株取引をすれば税金がかからない」などと株式の購入と運用を持ちかけ、実際には株を購入せず現金をだまし取ったとして、埼玉県警生活安全特別捜査隊と鴻巣署は７日、貸金会社「エイワン・コミュニケーションズ」（東京都中央区）の実質経営者、菊地信慈容疑者（５８）＝東京都中央区佃＝ら同社幹部４人を詐欺容疑で逮捕した。県警は、同社がこうした手口で全国の約２８００人から、有価証券を含む約１３４億円を不法に集めたとみて全容解明を急ぐ。
　調べでは、菊地容疑者らは０１〜０５年、都内の女性（３４）に電話で「値上がりするいい株がある」などと持ちかけ、計２５３万円をだまし取った疑い。株を購入せず、女性にうその株取引を記載した「計算書」を見せて信用させていた。同社は００〜０５年、「証券会社から優先的に新規発行株を譲り受け、通常より１０％安く取得できる」「１０００万円投資すれば１０％の配当が受けられる」などと電話で勧誘。現金は配当金名目で顧客に戻したり、会社の運営費などにあてたが、約５０億円が使途不明という。
　同社は００年４月、休眠会社を買い取る形で設立され、電話勧誘や広告で顧客を拡大。契約当初は配当金名目で現金を渡して信用させ、顧客が「株を売って清算したい」と申し出ると「まだ株価は上がる」などと言って返還に応じなかった。昨年５月、埼玉県鴻巣市の男性会社員らが「資金が返ってこない」と鴻巣署に相談。警視庁や国民生活センターにも同社に関する相談が相次いでいた。
　県警は今年３月以降に３回、証券取引法違反（無登録営業）と出資法違反（預かり金の禁止）容疑で同社などを家宅捜索。押収した帳簿類を分析した結果、顧客から集めた金が株購入に使われていなかったことが判明し、詐欺容疑での立件に踏み切った。同社は０３年８月、都に貸金業登録し、今年３月に取り消し処分になった。会社は家宅捜索後に閉鎖している。【酒井祥宏、村上尊一、浅野翔太郎】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061207-00000019-maip-soci