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2006年12月07日(木) 20時17分

路上駐車 じわり戻る/下関駅前の商店街朝日新聞

  民間の駐車監視員制度の導入など駐車違反の取り締まりを厳しくした改正道交法が6月に施行されてから半年余り。施行直後には、繁華街の商店街から姿を消していた路上駐車が、少しずつ戻り始めている。一方で、商店街の関係者からは「車で来る客が減り、売り上げが落ちた」と悲鳴があがる。市中心部のJR下関駅前に延びる商店街グリーンモールを歩いてみた。   (近藤郷平)

  県内で唯一、放置車両の確認や確認標章の取り付けなどを行う駐車監視員が活動する下関署。繁華街や周辺道路を中心に2人一組で取り締まる。青果店や飲食店などが200店以上軒を連ねるグリーンモールは、飲食店が多い豊前田、唐戸地区と並び、監視員が重点的に巡回する地域の一つだ。

  同商店街では、施行前は片側1車線の車道脇を埋めていた車両が目立たなくなっていた。買い物をするという女性は「前はすごかったけど、今はほとんど止めなくなった」と話す。

  下関署によると、6〜11月の違反車両の取り締まり件数は、監視員が633件(前年実績なし)、署員が560件(前年同期1163件)の計1193件。施行後の署員の取り締まり件数の減少について同署は「余力が生じた分、他の地域の取り締まりや地域巡回などに充てられた」と説明する。

  一方、施行直後に比べると、徐々に路上にとめる車が戻ってきている。施行後の2カ月間は違法駐車自体が少なかったこともあり、6月は前年同月比で100件以上減るなど大幅減だった。ただ、「違法駐車への認識が緩んできた」(同署)という8月以降は前年同月比で増加傾向を示している。

  小売店主(60)は「当初は効果もあって減っていたが、思ったより取り締まりが厳しくないのか、車が戻ってきた」と話す。青果店従業員(59)も「監視員が来たら教えてね、と言われる。ただ、みんな見える範囲に車を止めているし、前のような長時間駐車はなくなった」という。

  商店街内にある市営長門町駐車場の利用者台数も施行直後の6月は7099台だったが、徐々に利用台数が減り、10月は5313台にとどまった。

  商店街に与えた影響は大きい。ある飲食店主(54)は「売り上げが大幅に減った。来年は赤字申告覚悟。監視員が来たらにらむくらいしかできないね」と途方に暮れる。グリーンモール自治繁栄会の中野忠会長も「飲食店を中心に売り上げが落ちている」と話す。施行前まで路上に車をとめ、食事や買い物をしていた人たちが少なくなったようだ。

  一方、運送業界への影響はどうか。日本通運下関支店によると、「大都市は事情が違うのかもしれないが、地方都市では法令に基づき、素早く作業していれば、影響はない」という。県トラック協会も「今のところ混乱はない。県外に行くときは、事前に情報収集するよう指導している」と話す。

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■■キーワード■■

  駐車監視員制度 改正道路交通法で、今年6月1日から路上駐車の取り締まりの一部が民間委託された。下関署管内の委託先は中国警備保障(岩国市)。監視員は腕章を付け、放置車両を確認したら、写真を撮影しナンバーを記録。その後、車のフロントガラスに確認標章(ステッカー)を張り付ける。違反切符の処理などは同署が引き継ぐ。

http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news.php?k_id=36000000612070003