2006年12月07日(木) 15時56分

「初当選の借り返すため」と木村前和歌山県知事が供述（朝日新聞）

　和歌山県発注工事をめぐる汚職事件で、１千万円の収賄容疑で再逮捕された同県前知事の木村良樹容疑者（５４）が大阪地検特捜部の調べに対し、ゴルフ場経営会社元代表の井山義一容疑者（５６）＝贈賄容疑で再逮捕＝を談合に介入させたきっかけについて、「初当選した００年の知事選で資金援助を受けるなどし、その借りを返すためだった」と供述していることが７日、わかった。特捜部は、旧自治省官僚出身の「落下傘候補」で地盤や資金面に不安があった木村前知事が、最初の選挙から井山元代表に頼ったことが一連の官製談合事件の発端だったとみている。

　調べでは、木村前知事は２期目を目指した知事選直前の０４年６月、井山元代表が県発注工事の受注業者選定に介入することを承諾した見返りとして１千万円を受け取ったとされる。

　関係者によると、木村前知事は初当選した００年夏の知事選で、大阪府副知事（９９年７月〜００年７月）の頃に知り合った井山元代表から選挙資金や車を提供されたり、支援企業を紹介されたりした。前知事は元県議会副議長ら２人を破り、当時としては全国最年少の知事となった。

　調べに対し、木村前知事は「最初の知事選から井山元代表に非常にお世話になったので、お返ししなければならないと思った」と供述。井山元代表を県発注工事の受注業者選定に介入させ、利益を得させるようになったことを認めたという。

http://www.asahi.com/national/update/1207/OSK200612070034.html