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2006年12月06日(水) 03時02分

大型車タイヤ脱落、99年以降211件…死者2人読売新聞

 総重量8トン以上の大型トラックや30人乗り以上のバスなどで1999年1月以降、車輪のホイールを車軸に固定するボルトの折損により、走行中に車輪が脱落した事故が全国で少なくとも211件起き、直撃された歩行者ら2人が死亡していたことが国土交通省の調べで分かった。

 車輪脱落は1か月平均で2件以上起きていたことになる。同省は、ボルトを締め付ける力が強すぎるなど、整備不良が原因になっているケースが多いと判断。自動車の法定点検事項を定めた省令を近く改正し、「ボルトの適正な締め付け」を義務付ける方針だ。

 同省によると、20トンクラスのトラックの車輪は直径約1メートル、重さは約160キロ・グラム前後。走行中に外れると“凶器”と化す。

 2002年1月には横浜市内で、欠陥が原因で三菱ふそうトラック・バス製大型トラックから車輪が脱落、直撃された母子が死傷した。このため同省は、99年以降の脱落事故の実態を調査した。この結果、今年10月末までの脱落事故は、欠陥などハブ破断によるものが54件なのに対し、ボルトの折損によるものは211件に達していた。

 このうち00年3月と04年2月には北海道で、脱落した車輪の直撃を受けた対向車の運転手と歩行者が死亡。04年の事故では、ダンプカーを運転していた運送会社社長が業務上過失致死傷罪で有罪判決を受けた。このほか、少なくとも24人が負傷している。

 ハブの破断は、大量リコールをした三菱ふそうと、過積載があった別メーカーの車両だけで確認された。これに対しボルトの折損は、大型車を製造する国内主要4社すべての車両で起きていた。このため同省は、ボルトの締め方など整備に問題があるとみている。

 大型車は一般の乗用車と比べて走行距離がはるかに長いため、タイヤの付け替えが頻繁に行われる。この際、ボルトの締め付けが強すぎても、また弱すぎても、ボルトには走行時、想定を超える大きな力がかかってしまう。国内の大型車の車輪はほとんど、1本あたり8本のボルトで車軸に固定されているが、ボルト1本が折れただけで、残りのボルトにかかる力が高まって次々と折れてしまい、最後の1本が折れて脱輪に至るケースが多いという。

 同省は省令を改正するとともに、運送事業者や整備業者らに対し、ボルト締め付け時の「適正値」の順守を広く呼びかける。また「業界全体の問題として考えるべき」として、メーカーにも協力を求める方針だ。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061206ic01.htm